...三人の桃割娘が赤毛氈に並んで所望される席画を淡々と描いてる風景など...
上村松園 「冷かされた桃割娘」
...時々思い出して涙ぐんではいましたが、大体にきわめて明朗に、淡々として、好奇心で私の問うに任せて、こんな話をしてくれたに過ぎないのです...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...淡々として何ともいへない味はひだ...
種田山頭火 「其中日記」
...わずかばかりの恩給では食ってゆけませんので」山本さんは淡々と語る「四年前に勇退するときには後進に道をゆずる意味で...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...コロムビアのロート弦楽四重奏団のが(JW二五七―九)少し淡々としているが良い演奏だ...
野村胡堂 「楽聖物語」
...此處に引取られて育てられました」お町の調子は淡々としてなんの抑揚(よくやう)もありません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...直吉に対しては淡々としてゐる...
林芙美子 「瀑布」
...淡々として、人々は事を運び、いくぶん浮々した調子すら混つてゐる...
原民喜 「小さな村」
...たゞ流れる水の如く淡々として...
牧野信一 「「尾花」を読みて」
...しかし今日私の心境はむしろ淡々としていてこんなつまらぬことは問題にしていません...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...淡々とした話で終始していたのだが...
正宗白鳥 「弔辞(室生犀星)」
...淡々とした敍事の中に...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...どっこいしょと!青年 ……(相手の言葉が明るく淡々としているだけに余計に迫って来るものがあり...
三好十郎 「おりき」
...(淡々と答える)三好 それを僕に言わせようと言うのかね? 僕に...
三好十郎 「好日」
...男はべつに笑いもしないで自分も自分のパンを噛み噛み歩きそうして二人は暗くなった町中に入ったその夜は私はドロドロに疲れはてある盛り場のガードのそばの掘立小屋に泊った男が無理にさそったからではない彼はただ淡々と...
三好十郎 「殺意(ストリップショウ)」
...その素朴なレアリズムにも淡々とした素直な深い蔭翳がなくはなかつた...
三好達治 「オルゴール」
...淡々とした話しぶりが思いだされた...
山本周五郎 「いさましい話」
...表面、淡々と、平常の罪人に接するときのように、裃、袴を着けて、用部屋に身支度はしていたが、それだけに容易ならない自制心を努力していたにちがいない...
吉川英治 「大岡越前」
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