...山間の渓流の水の如く淡々として別れた...
石川欣一 「比島投降記」
...その生活淡々として実に神仙に似たり...
石川啄木 「閑天地」
...三人の桃割娘が赤毛氈に並んで所望される席画を淡々と描いてる風景など...
上村松園 「冷かされた桃割娘」
...淡々として話をされてゐたが...
小穴隆一 「二つの繪」
...四月一日金虚先生○明治三十九年四月四日(葉書)「畑打ち」淡々として一種の面白味あり...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...淡々として無量の味...
種田山頭火 「其中日記」
...ここ、平湯で、平々淡々として、明るい気分の湯に浸っているのとは、周囲も、気分も、全然違い、ここへ来て見るとはじめて、たしかに白骨には何かいたという気分がしてならない...
中里介山 「大菩薩峠」
...平々淡々として、泣きもしなければ、怖れもしないのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...淡々として、人々は事を運び、いくぶん浮々した調子すら混つてゐる...
原民喜 「小さな村」
...つまり神業(かみわざ)の俳優です」マザロフが淡々と...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...淡々とした「情緒的寫實主義」を亂される事なく進むのである...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...どっこいしょと!青年 ……(相手の言葉が明るく淡々としているだけに余計に迫って来るものがあり...
三好十郎 「おりき」
...淡々と古今の武器の比較をしながら...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...閉口します」淡々とした穏やかな口ぶりで...
山本周五郎 「いさましい話」
...やがて淡々と、明日にせまる死の用意の身清めについていた...
吉川英治 「私本太平記」
...「あるまい!」「…………」「ないからこそ、あなた様は、淡々と、官位栄職を、邪魔みたいにぬぎ捨てて、さッさと、こんなところへ……隠居などしてしまわれたのだ...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...いかにも淡々として...
和辻哲郎 「歌集『涌井』を読む」
...あの淡々とした透明な感じが実にありがたい...
和辻哲郎 「歌集『涌井』を読む」
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