...止したが良かろう」まことに横柄な言い方だが口振りは淡々としていた...
梅崎春生 「蜆」
...科学者の標本に対するがごとく注意深く淡々とあらためる...
三上於菟吉訳 大久保ゆう改訳 「自転車乗りの影」
...淡々と述べられていて...
豊島与志雄 「道化役」
...その男が冷々淡々として自分の駕籠にのしかかって...
中里介山 「大菩薩峠」
...直吉に対しては淡々としてゐる...
林芙美子 「瀑布」
...それを淡々と聞き過していた...
堀辰雄 「姨捨」
...たゞ流れる水の如く淡々として...
牧野信一 「「尾花」を読みて」
...淡々と叙してゐる中に...
牧野信一 「月評」
...しかし今日私の心境はむしろ淡々としていてこんなつまらぬことは問題にしていません...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...淡々とした話で終始していたのだが...
正宗白鳥 「弔辞(室生犀星)」
...却ってその淡々とした中に抗弁しがたい物が有るらしい...
三好十郎 「おりき」
...(淡々と答える)三好 それを僕に言わせようと言うのかね? 僕に...
三好十郎 「好日」
...男はべつに笑いもしないで自分も自分のパンを噛み噛み歩きそうして二人は暗くなった町中に入ったその夜は私はドロドロに疲れはてある盛り場のガードのそばの掘立小屋に泊った男が無理にさそったからではない彼はただ淡々と...
三好十郎 「殺意(ストリップショウ)」
...彼らは淡々として当り前なものを作ったに過ぎない...
柳宗悦 「民藝四十年」
...閉口します」淡々とした穏やかな口ぶりで...
山本周五郎 「いさましい話」
...あの孫娘を伴れてな」「――なんと無残な」「わしも当座は血が凍っただ」老人は淡々と云った...
山本周五郎 「風流太平記」
...孔明もちと困ったにちがいありません」淡々として孔明は他人事(ひとごと)みたいに語るのである...
吉川英治 「三国志」
...いかにも淡々として...
和辻哲郎 「歌集『涌井』を読む」
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