...まだあをい水蜜桃のやうに媚(こび)の芽をふかないけれど...
大手拓次 「藍色の蟇」
...関野氏は水蜜桃の皮を剥(む)くやうな気持で少しづつ白絹をめくつて往(ゆ)くと...
薄田泣菫 「茶話」
...すると間もなくそこへ美しく熟した水蜜桃(すいみつとう)の数個が盆に載せられて運ばれて来た...
相馬泰三 「田舎医師の子」
...そうして手に水蜜桃(すいみつとう)を持って...
高浜虚子 「別府温泉」
...水蜜桃も去年あたりから大分喰える...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...果物好きだけに何よりも先ず水蜜桃を植えた...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...水蜜の早生(わせ)が五つばかり熟(じゅく)して居るのを見つけた...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...久し振りに東京の街の有様を見、荷物にゴッタ返した闇い車内、スッカリ変った服飾など見てウタタ感慨が深かったが、夜があけると世界は一変して、妙なる枝振りの林檎、桃、水蜜、杏、牡丹桜八重桜(欝金もあり)、散り残りの山桜、木蓮、海棠さては菜の花、桐の若葉、紅葉など、春をこの一瞬に集めている...
戸坂潤 「獄中通信」
...水蜜桃のような時もあるし...
豊島与志雄 「裸木」
...晩と水蜜桃(すいみつとう)の汁をしぼって百グラム乃至(ないし)百二十グラムくらい吸いのみでのむ...
中勘助 「胆石」
...――水蜜は本場のを貰(もら)ったのが冷蔵庫で種まで冷えている...
中勘助 「胆石」
...桃に白桃水蜜桃ができ...
永井荷風 「葛飾土産」
...それではこの生毛のはへた水蜜桃はいかゞでございませう...
仲村渠 「果物屋の広告文」
...二人が水蜜桃を食べているうちにだいぶ親密になっていろいろな話を始めた...
夏目漱石 「三四郎」
...どうも上京の節汽車の中で水蜜桃(すいみつとう)をたくさん食った人のようである...
夏目漱石 「三四郎」
...水蜜桃の林の次は梨畑...
北條民雄 「青春の天刑病者達」
...水蜜桃のそれのやうにふはりと滲んで見えた...
牧野信一 「或る五月の朝の話」
...桃にも水蜜桃(すいみつとう)といって色の白くって甘いのがあり...
村井弦斎 「食道楽」
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