...涙も水洟も目高(めだか)の泳いでゐる淡水(まみづ)のやうに味が無かつた...
薄田泣菫 「茶話」
...三郎はその支那の君子人の言葉を水洟(みずばな)すすりあげながら呟(つぶや)き呟き...
太宰治 「ロマネスク」
...僅かに馬士歌(まごうた)の哀れを止むるのみなるも改まる御代(みよ)に余命つなぎ得し白髪の媼(おうな)が囲炉裏(いろり)のそばに水洟(みずばな)すゝりながら孫玄孫(やしゃご)への語り草なるべし...
寺田寅彦 「東上記」
...しっきりなしに水洟(みずばな)をすすってるんです...
豊島与志雄 「香奠」
...十五六の男の子が水洟をすゝりながら臺所から出て來て店の硝子戸のねぢをかけてゐる...
林芙美子 「雨」
...彼女はすつぼり水洟を拭きとつた...
原民喜 「雲雀病院」
...水洟(みずばな)をすすりながら...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...気分悪く水洟が出通しである...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...水洟をすすつてゐる老婆などもあつた...
北條民雄 「青年」
...涙と水洟(みずばな)をたらし...
山本周五郎 「青べか物語」
...反対に彼の顔は流るる汗と水洟(みずばな)に汚れ噎(む)せて...
夢野久作 「木魂」
...何だか水洟(みずっぱな)でもシタタリ落ちそうで...
夢野久作 「鼻の表現」
...箸の先に水洟(みずばな)がたれるのも思わなかった...
吉川英治 「大岡越前」
...茶の中へ一滴の水洟(みずばな)をこぼしたのである...
吉川英治 「大谷刑部」
...そして喋(しゃべ)る間に水洟(みずばな)をすすッたり...
吉川英治 「新・水滸伝」
...マ氏の水洟さえ、親友嘉治さんへの友情とエチケットになっている程だから...
吉川英治 「随筆 新平家」
...水洟(みずばな)が出る...
吉川英治 「源頼朝」
...鼻の先に水洟(みずばな)が凍りつく...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??