...僅かに馬士歌(まごうた)の哀れを止むるのみなるも改まる御代(みよ)に余命つなぎ得し白髪の媼(おうな)が囲炉裏(いろり)のそばに水洟(みずばな)すゝりながら孫玄孫(やしゃご)への語り草なるべし...
寺田寅彦 「東上記」
...うつ向いていると水洟(みずばな)が自然にたれかかって来るのをじっとこらえている...
寺田寅彦 「花物語」
...手の甲で水洟(みずばな)をふきながら首をすっ込めて窓をしめると...
永井荷風 「雪解」
...しかし賣子をかすかな燈に照して見れば、しわくちや翁が、水洟たらして、舟を三十石に横付にし、物品と錢の交換を始める...
長岡半太郎 「大阪といふところ」
...水洟(みずばな)をすすりながら...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...水洟(みずばな)をすすりながら...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...背中をまるくしながらしきりに水洟(みづつぱな)をすゝり込む...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...水洟を啜(すす)り...
山本周五郎 「青べか物語」
...涙と水洟(みずばな)をたらし...
山本周五郎 「青べか物語」
...涙と水洟(みずばな)をたらし...
山本周五郎 「青べか物語」
...水洟(みずっぱな)を横撫でにして...
山本周五郎 「花も刀も」
...水洟(みずばな)をこすりこすりこう申し立てた...
夢野久作 「いなか、の、じけん」
...以前は博多竪町(たてちょう)の荒物屋渡世……当年五十六歳で……ヘエ……」と淀みなく言ううちに涙ぐんだ赤んべえ面を上げて水洟(みずばな)を一つコスリ上げた...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...各水洟(みずばな)をすすッていたので...
吉川英治 「江戸三国志」
...後(あと)に水洟(みずばな)をすすッている同業の先生達へ...
吉川英治 「江戸三国志」
...しきりにハンケチで水洟(みずばな)を拭く...
吉川英治 「随筆 新平家」
...水洟(みずばな)を垂らしたので...
吉川英治 「宮本武蔵」
...母は切りに水洟(みづばな)を拭いてゐる...
若山牧水 「姉妹」
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