...しかし先生にその責任をもって行くわけでは毛頭ない...
寺田寅彦 「田丸先生の追憶」
...そこに不合理がないという証拠では毛頭ない...
寺田寅彦 「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」
...拙速主義の疑わしい知識に飛びついて朝夕心を騒がせ気をいら立てる必要は毛頭ないのである...
寺田寅彦 「一つの思考実験」
...それらの研究や結論自身を詰らないというのでは毛頭ない...
中谷宇吉郎 「兎の耳」
...万歳を唱えてはならんと誰からも申しつけられた覚(おぼえ)は毛頭ない...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...そんなものをあなたの方角から受け取る気は毛頭ないのです...
夏目漱石 「明暗」
...やはり大体のところが御存じのごとき俗物だからこんな窮屈な暮しをして回(かい)やその楽をあらためず賢なるかなと褒(ほ)められる権利は毛頭ないのだよ...
夏目漱石 「倫敦消息」
...しかし天下の大盗と言われたお狩場の四郎はこのまま老い朽ちる気は毛頭ない...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...Kを手放す気は毛頭ないし...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...妾のこの大それた行為を弁解する気は毛頭ないのですが...
平林初之輔 「華やかな罪過」
...当時スツムプ教授これを実地精査した報告の大要はこの馬を「考える馬」と呼ぶは言実に過ぎたりで考思の力は毛頭ないが観察力は人も及ばぬ...
南方熊楠 「十二支考」
...親の見出してくれた配偶者と結婚して幸福な生活がいとなめないなどと思う心持は毛頭ないけれど...
宮本百合子 「結婚論の性格」
...当時のあの乱れたフランスに戻ってくる気は毛頭ないのであろう...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...私には彼女を部屋に入れてやる気は毛頭ない...
山川方夫 「非情な男」
...わかる気づかいは毛頭ない...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...一緒に逃げて行くなどという思案は毛頭ない」「相良さん...
吉川英治 「江戸三国志」
...そんな心は毛頭ない...
吉川英治 「私本太平記」
...武蔵はそれをつつむ気持も毛頭ない...
吉川英治 「宮本武蔵」
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