...俺達犬社会では毛唐種(だね)に暴(あ)らされてイヤモウ散三な目に遇つた...
内田魯庵 「犬物語」
...異人館の主人がまたいい男なんですって」「毛唐の女に...
中里介山 「大菩薩峠」
...それを毛唐(けとう)という軽蔑語で一掃してしまうことの無知を今更のようにさとり...
中里介山 「大菩薩峠」
...君に話した毛唐のマドロスというウスノロが...
中里介山 「大菩薩峠」
...毛唐を舐めてものにしてやろうと企んでいる奴等が...
中里介山 「大菩薩峠」
...今の日本人は、毛唐に対して、威張れば威張るほど損をする...
中里介山 「大菩薩峠」
...毛唐に罰金を取られたがっている...
中里介山 「大菩薩峠」
...まだ毛唐の女を相手にしてみたことはないんだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...「惜しいわね、それほど洋学がお出来になるのに」「何が惜しいんだよ」「でも、当節、洋学がお出来になれば、お金儲(かねもう)けはお望み次第なのに」「洋学が出来れば金儲けは望み次第? それで駒井のいないのが、宝の持腐れだというコケ惜しみか」「そうよ、わたし、このごろ、つくづくそう思いますわ、もし、わたしに少しでも横文字が読め、達者に異人さんと話ができたら、どんなにお金儲けができますか、ちょっとやそっとのお金儲けではございませんのよ、何十万というお金儲け……」「ふん、毛唐だって、そう甘い奴ばかりはあるまい、日本の金と土を取りたがって来ている奴等だ、洋学が出来たからというて、ペロが喋(しゃべ)れるからといって、お前が甘く見るほど相手は馬鹿でない」「ところが、あなた、それが違うんですよ、日本人と見ると、むやみにお金を蒔(ま)きたがっている異人さんがあるから妙じゃありませんか、それも、相手次第によっては何万とまとまったお金を未練会釈なしに融通してくれる異人さんを、わたしはずいぶん知っていますよ」「それを知っているなら、お前、遠慮なく拝借をしといたらいいじゃないか」「わたしでは駄目、女では信用がないから」「では、おれの名前でよろしければ貸して上げてもいい」「あなたではなお駄目――駒井様あたりだと確かなものなんですがね」「ふーむ、えらく踏み倒されたものだな――おれと駒井の相場がそれほど違うかな」「違いますとも、あなたなんかはさかさに振っても鼻血も出やしないけれど、駒井様なら洋学もお出来になるし」「洋学が出来さえすれば、毛唐は誰にでも金を貸すのか」「洋学が出来て、御身分の保証がおありなされば、何万、何十万、何百万とまとまったお金を、右から左へ貸してくれますのよ」「それはまた桁(けた)が大きいなあ、何万はいいが、何百万は事が大きいぞ」「まあ、お聞きなさい、決して夢じゃありませんから」ここまで、立ち姿、襖越(ふすまご)しで話しかけていたお絹が、ずかずかと入りこんで来て、神尾の火鉢の前へ坐り、無雑作に白い手をさしのべて神尾の拳(こぶし)にさわるほど、親密に意気ごんで話を持ち込みました...
中里介山 「大菩薩峠」
...「幕府を打潰(ぶっつぶ)す――毛唐人を追巻(おいま)くると云い...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...毛唐と歌を歌ってさわぎ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...私たちよりも背の低いくらゐな毛唐が...
堀辰雄 「旅の繪」
...毛唐人の 姿つてものをチラリと見たんだが...
牧野信一 「タンタレスの春」
...君以来毛唐(フオレナー)の知人を知らない私は...
牧野信一 「素書」
...あの毛唐(けとう)もばかやつらだ...
山本周五郎 「青べか物語」
...毛唐って奴はつまらねえ事を感心するんですね...
夢の久作(夢野久作) 「人間腸詰」
...イキナリその毛唐に組付いて大腰をかけようとしたもんです...
夢の久作(夢野久作) 「人間腸詰」
...いくら店の為になるったって、毛唐のお客は、たくさんだわ」「…………」うすい髪の毛に、ていねいに櫛の歯をとおしている、脂肪性赤鼻質の彼女の主人の、高瀬理平は、ちらっと、新聞紙から額(ひたい)ごしに彼女をながめたが、また、黙ってしまった...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
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