...この童は聖母の愛でさせ給ふものなれば...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...母の愛が子を抱(いだ)きしめるようにその一種の執着力はじっと弟子や子分を抱きしめていて...
高浜虚子 「子規居士と余」
...私自身は優しい父と母の愛の下に...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...ねぶそくな眼に祖母の愛した躑躅の花が赤くうつつた...
辻村もと子 「春の落葉」
...妹が母親の手元に遺(のこ)して行った不幸な孤児に対する祖母の愛着...
徳田秋声 「黴」
...お馨さんは母の愛女であった...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...今は母の愛母の威光母の恩をもってしてなお死に瀕(ひん)したる一浪子の愛に勝つあたわざるを見るに及び...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...非常の貧苦に迫るとか、非常の不幸に遭遇するとか、非常の迫害に出遭ふとかいふ場合に當て、一旦は神の正義を疑ひ、佛の慈悲、聖母の愛を疑ひ、天道の是非を疑ふて、人を怨み天地を恨むといふ樣なことは、時に人情避くべからざることではありますが、併しながら、是れは到底苦を脱する所以ではない...
朝永三十郎 「學究漫録」
...子に対する母の愛という色に塗られて...
豊島与志雄 「オランウータン」
...貴様は母の愛とホープによッて出生した...
久生十蘭 「湖畔」
...御身は英文学士なればその昔母の愛詠せるおるずおるすにも似たる歌もあらんなどと徒らに楽しき空想を回らせ居り候……」母は...
牧野信一 「鏡地獄」
...」母の愛にうえた少年の目は...
ルイザ・メイ・オルコット L. M. Alcott 水谷まさる訳 「若草物語」
...ポリドーロスはその末男で父母の愛最(いと)厚くトロイ攻めらるるに及び王この児に大金を添えてツラシア王ポリムネストスに預けた...
南方熊楠 「十二支考」
...自分に向けられる母の愛...
宮本百合子 「女の自分」
...吾は思ふ 淋しさを吾は思ふ 愛の淋しきを吾は思ふなり 母の愛を吾は思ふなり 友の愛をああ いかなる縁(えにし)あればぞ母...
山口芳光 「さびし」
...そしてよく働く男を夫にもち、すこやかな子をもうけ、母の愛の中に、女性の安住と満足を求めようとするなら、おそらくかなわぬことはなく、失望、傷魂のいたみをうけることもあるまい)友松のいうことはいつもこれに尽きていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...自分が母の愛というものを意識してから今日にいたるまで...
吉川英治 「梅※[#「風にょう+思」、第4水準2-92-36]の杖」
...前者は無限に高められた慈母の愛であり...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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