...昨晩(ゆうべ)の事が歴々(まざ/\)と思出された...
石川啄木 「菊池君」
...田舎で想像して出かけて行った心持や希望が逸早く氷のように解けて行って了ったかれを勇吉は歴々とその山路に見た...
田山花袋 「トコヨゴヨミ」
...今でも美しい色彩やら戀のみだれ心やらで滿たされてゐる内裏の局の内部のことなどが歴々と浮んで見えた...
田山花袋 「道綱の母」
...清新で可憐な作中の人物や状景が歴々浮き出して来た...
徳田秋聲 「草いきれ」
...其他皆さんの手によって署せられた皆さんの名が歴々(れきれき)として其処にあります...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...その時一座したお歴々は...
野村胡堂 「随筆銭形平次」
...桜湯(さくらゆ)――お邸方や大店(おおだな)の歴々には味えない町つづきの...
長谷川時雨 「流れた唾き」
...身分の高いお歴々に宛てられたものだと特にそれを選ぶのであった...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「外套」
...何はさて一流のお歴々がたに敬意を表するのを第一の義務だと存じましてなどと述べたてるだけであった...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...それでご恩になっていなされたお歴々は皆きょう腹を切ってお供をなさる...
森鴎外 「阿部一族」
...温言を以て緑翹を賺(すか)す陳の声が歴々として耳に響くようにも思われて来る...
森鴎外 「魚玄機」
...私は偉大な権威をもたれるお歴々が...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...お歴々がたはその時ばかりでなく他の場合にも...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...この病気は好んでお歴々がたを襲うものであるから...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...浪人のことでお歴々にふさわしいもてなしはできませんが...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...ご勝利は歴々です」「げにも...
吉川英治 「三国志」
...みな北条歴々の大将ゆえ...
吉川英治 「私本太平記」
...真壁の郡司や相馬(そうま)の城主高貞(たかさだ)など――そういった歴々の帰依者(きえしゃ)も...
吉川英治 「親鸞」
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