...ある歴々(れきれき)の武士(ぶし)の許(もと)へ嫁(とつ)ぐことになりました...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...もぎ取られたりした歴々たる形跡のあるのを既に御覧の事とは思いますが...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「作男・ゴーの名誉」
...今此処から三里隔(へだ)てゝ居る家の妻の顔が歴々と彼の眼に見えた...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...そのうえ歴々と実印まで押してあらんとは...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...亦歴々として認む可きものあり試みに其一二を言はむか...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...歴々として思い起させるのである...
永井荷風 「深川の散歩」
...腹黒き計略が歴々(ありあり)と見え透くようでござりまする...
中里介山 「大菩薩峠」
...いたく昂奮したような様子が歴々です...
中里介山 「大菩薩峠」
...歴々(ありあり)と走っているではありませんか...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...御目付などの御歴々と...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...御歴々の御見物、一足の踏み違えでもあっては、お江戸の方々から、上方者(かみがたもの)は、到らぬと、一口に嘲(わら)われましょう」「はい、慎(つつし)む上にも、慎んで、一生懸命、精進(しょうじん)いたす覚悟でござります」奥役は、師匠が前景気に十分喜ばされたように信じて、いそいそと帰って行った...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...御歴々の御名誉を傷(そこ)なうものとか――なぜでござりましょう? わたくしは...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...浪人のことでお歴々にふさわしいもてなしはできませんが...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...北斗を数えるように歴々と分っていた...
吉川英治 「上杉謙信」
...こよい天を仰ぐに、三台の星、みな秋気燦(さん)たるべきに、客星は明らかに、主星は鈍(にぶ)く、しかも凶色を呈し、異変歴々である...
吉川英治 「三国志」
...自分の妹聟(いもむこ)にあたる梅雪までが、こう歴々と、反心を示し、しかも自分に向って滅亡を強(し)いて来るという事実を見ては、彼も、苦悶のなかに、少しは、自己を顧みずにいられなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
...馬上歴々の衆を次々にさしむけても...
吉川英治 「新書太閤記」
...その証拠は歴々と数えることができる...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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