...その奴隷たる証拠は歴々とただ今お目にかけます……...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...歴々と私の眼に現はれて見えて来るのを禁(とゞ)めることが出来なかつた...
田山録弥 「ある日」
...あなたはお出なさらなかつたぢやありませんか』窕子の顏には男に對する勝利の色が歴々と上つて見られた...
田山花袋 「道綱の母」
...今でも美しい色彩やら戀のみだれ心やらで滿たされてゐる内裏の局の内部のことなどが歴々と浮んで見えた...
田山花袋 「道綱の母」
...父のお庇(かげ)を以てかように私までが歴々の嫡子達と一緒になるのだから...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...その歴々たる証拠までを見ながら...
直木三十五 「南国太平記」
...「もとはお旗本のお歴々でございます...
中里介山 「大菩薩峠」
...あっちが飛ぶ鳥を落すお歴々のお揃いだから...
中里介山 「大菩薩峠」
...歴々(ありあり)と全身に金箔を置いた跡があります...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...歴々たる人々の正夫人が芸妓上りであって...
長谷川時雨 「明治美人伝」
...御鉄砲御用衆といわれる躑躅(つつじ)の間詰(づめ)のお歴々が...
久生十蘭 「ひどい煙」
...サクにつき添われ、「よう、お歴々」と、呂律のまわらぬ舌で叫んで、新しい道づれの中に割りこんで行った...
火野葦平 「花と龍」
...お歴々の衆に負けぬようにおしなされい」と言った...
森鴎外 「阿部一族」
...少しのよどみなくとうとうと述べさって専門のお歴々一同あっとばかり...
山本笑月 「明治世相百話」
...ただならぬ戦雲のきざしが歴々(れきれき)とござりました...
吉川英治 「神州天馬侠」
...はやくも織田の相続者を以てみずから任じているふうが歴々と最近の言動にもあらわれて来ている...
吉川英治 「新書太閤記」
...追い打ちをかけんとしている気味合いが歴々と見えていた...
吉川英治 「新・水滸伝」
...その将来を案じている容子(ようす)が歴々と読めた...
吉川英治 「親鸞」
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