...歴々と顔に描かれました...
芥川龍之介 「地獄変」
...昨晩(ゆうべ)の事が歴々(まざ/\)と思出された...
石川啄木 「菊池君」
...作者の心理状態が時処に従って動揺し変化した自然の跡が歴々として読者の胸に響いてくる...
伊藤左千夫 「歌の潤い」
...歴々な文學者でも金が欲しければ...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...竜の尾頭その中に歴々たりとものの本にござった...
太宰治 「新釈諸国噺」
...昔の旅行のさまが歴々(あり/\)と私の眼の前に浮んで見えるやうな氣がした...
田山花袋 「日光」
...丘陵を攀(よ)じ谿谷に下り左曲右折した跡は歴々として指掌の中にあるであろうが...
津田左右吉 「歴史の矛盾性」
...今此処から三里隔(へだ)てゝ居る家の妻の顔が歴々と彼の眼に見えた...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...御歴々の若い衆方々...
直木三十五 「南国太平記」
...お国許では、お歴々達が、何んの罪咎もないに、切腹をしていなさる...
直木三十五 「南国太平記」
...あの時お微行(しのび)で通った彼地(かのち)のお歴々としてのこのお客様の姿形を...
中里介山 「大菩薩峠」
...それと同時に何者にかいたく踏み荒されて行った跡が歴々であります...
中里介山 「大菩薩峠」
...たしかに気の短い男であるべき証跡は歴々たるものであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...歴々としてなお閻王(えんおう)の法廷に牽(ひ)かれて照魔鏡の前に立たせられたるに異ならず...
宮崎湖処子 「空屋」
...お歴々がおそろいの席上...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...わたしは識り合いのお歴々がたを...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...歴々(ありあり)と展開致して来る事と存じますから...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...この勧進田楽には、将軍家の尊氏夫妻をはじめ、北朝の歴々、女院、宮、いわゆる月卿雲客(げっけいうんかく)から市中の男女数万という見物が群れ集まっていたのである...
吉川英治 「私本太平記」
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