...「色里(いろざと)にても又は町家の歴々の奥がたにても...
芥川龍之介 「案頭の書」
...その中でも自分に接吻した芸者の姿ばかりは歴々として眼底に浮んで来た...
芥川龍之介 「東京小品」
...歴々な文學者でも金が欲しければ...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...『水滸伝』や『三国志』や『戦国策』を襲踏した痕が余りに歴々として『八犬伝』中最も拙陋(せつろう)を極めている...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...5.國際聯盟のお歴々は軍縮乃至は軍擴問題を討議してゐる...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...あなたはお出なさらなかつたぢやありませんか』窕子の顏には男に對する勝利の色が歴々と上つて見られた...
田山花袋 「道綱の母」
...何ぞその言の歴々落々として青天白日を覩(み)るが如き...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...植田丹後守様とて受領(ずりょう)まである歴々の御社家...
中里介山 「大菩薩峠」
...逆境に立つて苦鬪した結果内に潜んで居た鞏固な意志が歴々として容貌の上に表現されて來ました...
長塚節 「教師」
...御歴々の御屋敷の中に起つたことへは...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...御鉄砲御用衆といわれる躑躅(つつじ)の間詰(づめ)のお歴々が...
久生十蘭 「ひどい煙」
...」といえる有様の歴々(ありあり)と目前に現われ...
福田英子 「妾の半生涯」
...ひたすら相手のお歴々の御意にかなうことばかり考えている口先上手の方が失敗している...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...歴々(ありあり)目に入る...
吉江孤雁 「夢」
...こよい天を仰ぐに、三台の星、みな秋気燦(さん)たるべきに、客星は明らかに、主星は鈍(にぶ)く、しかも凶色を呈し、異変歴々である...
吉川英治 「三国志」
...どっちも歴々な武家だった...
吉川英治 「私本太平記」
...自分の妹聟(いもむこ)にあたる梅雪までが、こう歴々と、反心を示し、しかも自分に向って滅亡を強(し)いて来るという事実を見ては、彼も、苦悶のなかに、少しは、自己を顧みずにいられなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
...すべてこれ歴々たる勝算あるもののごとき態度は...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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