...此の頃の雨つゞきに...
泉鏡花 「雨ばけ」
...□私の卒業した女学校に此の頃或る転機が来て頻(しき)りに動揺してゐる...
伊藤野枝 「編輯室より(一九一五年五月号)」
...麹町にも此の頃はとんとごぶさた...
太宰治 「正義と微笑」
...もう此の頃では独り寝の寒さがしみ/″\こたへてゐるではないか...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...もう此の頃では、年下の児を相手にして、女人の噂などを語り合おうともしなかった...
谷崎潤一郎 「二人の稚児」
...分けても此の頃は種々(いろん)なことが心の面白くないことばかりで...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...つひ去年の此の頃のことであつた...
徳田秋聲 「歯痛」
...此の頃に至りて楓樹の梢少しく色づきたれど其の色黒ずみて鮮ならず...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...此の頃はほと/\四鄰の湫隘なるに堪へやらぬ心地す...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...いまのうちに、材木をしこたま予約しておきたかつたし、此の頃、紙の闇も激しいと聞いて、その方にも手をのばしたかつた...
林芙美子 「浮雲」
...此の頃の味覚では...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...△それがいつの間にか忘れられてしまつた此の頃では場所が開いても...
牧野信一 「〔編輯余話〕」
...此の頃は大変悲しく感じられたり...
宮本百合子 「いとこ同志」
...此の頃の思想界に於て多數の方から...
森鴎外 「假名遣意見」
...弘 始終そうなんですか?収 ええ、此の頃ずっと...
森本薫 「みごとな女」
...此の頃東京市では強盗が頻々(ひんぴん)と出没する...
山本周五郎 「青べか日記」
...そんな甘い手でまたいたぶる気だろう」これが此の頃の竹亭の口癖である...
山本周五郎 「新潮記」
...彼は此の頃漸く自然の美しさが彼なりに分りかけて來たやうに思はれた...
横光利一 「蛾はどこにでもゐる」
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