...五位は綿の四五寸もはいつた、黄いろい直垂(ひたたれ)の下に、楽々と、足をのばしながら、ぼんやり、われとわが寝姿を見廻した...
芥川龍之介 「芋粥」
...長野から直江津を経由して富山へ出れば一日で楽々と行けるが...
石川欣一 「可愛い山」
...今でこそ写楽々々と猫も杓子(しゃくし)も我が物顔に感嘆するが...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...寒い寒い、火燵々々、極楽々々、ありがたいありがたい...
種田山頭火 「其中日記」
...湯、そして酒、あゝ極楽々々...
種田山頭火 「旅日記」
...そうして今度は清子とその軽便とを聯結(れんけつ)して「女一人でさえ楽々往来ができる所だのに」と思いながら...
夏目漱石 「明暗」
...それを楽々と貫いた手練は実に恐る可きものです...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...これを楽々と持ち運べるのは家中に幾人もありません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...綱一本を頼りに下まで楽々とすべり降りた人間があったことはお前も知っているだろう」「あの野郎ですよ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...如何にも、楽々として、愉(たの)しさうに見えるよ」「あら、厭だわ...
林芙美子 「浮雲」
...こんなに楽々として健康な事も初めて知つたやうな気がした...
林芙美子 「浮雲」
...実際ではそんなことはないのだらうが大変楽々と...
牧野信一 「浪曼的月評」
...微笑を誘はれるところもあつて次々へ楽々と読めたが...
牧野信一 「浪曼的月評」
...自分で工夫した発声法によって楽々とうたったからです...
三浦環 「お蝶夫人」
...楽々として、而もたゆみなく努力してゆくことにある愉しさ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...人情味のある源氏であったから、すぐに返歌が書かれた、非常に楽々と、かへさんと言ふにつけても片しきの夜の衣を思ひこそやれごもっともです...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...わたしはここまできわめて楽々と書いてきた...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...得難いものの様に思つて居た子を見る喜びと云ふものと楽々目前(もくぜん)に近づいて居るのを思ふと...
與謝野晶子 「帰つてから」
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