...実に賊烏啼は極めて楽々と苅谷夫人を誘拐し去ったのである...
海野十三 「奇賊は支払う」
...オーヴァは楽々と脱げた...
海野十三 「深夜の市長」
...張合(はりあい)のない程楽々と泥棒が成功するのでした...
江戸川乱歩 「双生児」
...肩の荷を下したように楽々した」「そうでしょう? 今日の弁論...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「あの顔」
...しかも楽々と仕事がはこぶ...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...楽々と口にするのにびっくりした...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...その跡にポカリと口を開いたのはなんと人間が二人くらい楽々と通れるほどの大きな穴...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...しかし彼れの労働者の労賃は家族を楽々と養うには足りないであろう...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...そして楽々と安楽椅子にもたれながら...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...三味線を五線紙の音楽々譜にすることを発明して...
三浦環 「お蝶夫人」
...楽々と世を送っている...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...「おおッ!」「うわあッ!」「う、う、う、う!」「む、む、む、む」それをこころよげに見おろしている、黒い影――「は、は、は、何とまあ、二人とも、いさましいことのう――たがいに、咽喉をつかみしめた手先をばはなすまいぞ――ぐっと、ぐっと、絞めるがよい――おお、いさましいのう――」と、言ったが、「この松浦屋を、くるしめた人々の中で、端役をつとめた浜川どの、横山どのは、めいめいに、楽々と、もはやこの世をいとま乞いして、地獄の旅をつづけておいでじゃぞ――それに比べて、これまで生きのこった二人、さ、もっと、もっと、苦しめ合い、憎み合い、浅間しさの限りをつくすがよい...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...彼等は何と云う手に入った風で楽々と演(し)こなしていることだろう...
宮本百合子 「気むずかしやの見物」
...本当に楽々としていい心持で眠りました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...何と息も体の工合も楽々となりましたろう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...楽々と今までいろいろな模範として知られている出来事と取り代えてしまうであろう...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...ほかの声は何の苦もなく翁の楽々とした調子の中に消え込んで行った...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...楽々として読みかつ書くことが出来るのです...
与謝野晶子 「教育の民主主義化を要求す」
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