...五位は綿の四五寸もはいつた、黄いろい直垂(ひたたれ)の下に、楽々と、足をのばしながら、ぼんやり、われとわが寝姿を見廻した...
芥川龍之介 「芋粥」
...楽々とこちらへ返つて来た...
芥川龍之介 「老いたる素戔嗚尊」
...そんな楽々とした呑気な次第ではございませぬぞ」正造は怒号の頂体でプッツリ言葉を切って...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...しかも楽々と仕事がはこぶ...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...無造作に楽々と乗りこなしているところは...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...そこから人間が楽々と這(は)い出しかねない隙間をこしらえて見せました...
中里介山 「大菩薩峠」
...小学校の三年生位ならば楽々と取り扱える程度のものである...
中谷宇吉郎 「地球の円い話」
...楽々とした放心さで...
林芙美子 「浮雲」
...いかにも楽々と大作を次から次へと発表してゆくエネルギーにおいて私たちを驚嘆させるが...
平林初之輔 「ヴアン・ダインの作風」
...貴重な電報を楽々奪えたかもしれない...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...さうしたポーズで半日も一日も楽々としてゐられたといふことは...
牧野信一 「「三田文学」と巌谷夫人」
...自分で工夫した発声法によって楽々とうたったからです...
三浦環 「お蝶夫人」
...楽々とごろ寝を貪(むさぼ)っていた例のむく犬の吉むくりと起き立って...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...楽々(らくらく)と人間と云うものの原質を組み立てるですね...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...足を宙に振り舞わして暴れる私を楽々と引っかかえて...
夢野久作 「暗黒公使」
...楽々と手を伸して捻(ねじ)って行った...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...寺へもどっても、この騒ぎに――また、自分と同じ師を持つ同門の者の不安をよそに、楽々と、眠るわけにはゆかない気がする...
吉川英治 「親鸞」
...彼ぐらい楽々とマストに登って帆をあやつることの出来る水夫はなかった...
吉田甲子太郎 「秋空晴れて」
便利!手書き漢字入力検索