...さりながら論語(ろんご)に唾(つ)を吐(は)きて梅暦(むめごよみ)を六韜三略(りくとうさんりやく)とする当世(たうせい)の若檀那(わかだんな)気質(かたぎ)は其(そ)れとは反対(うらはら)にて愈々(いよ/\)頼(たの)もしからず...
三文字屋金平 「為文学者経」
...却古風でやすな」と北湖先生は御自分の頭に「梅暦」や「娘節用」を置いて十風夫婦をも頻りに古風がられる...
高濱虚子 「俳諧師」
...あれは『梅暦』を訳したものか何うか知らないが...
田山録弥 「西鶴小論」
...親戚(しんせき)の家にあった為永春水(ためながしゅんすい)の「春色梅暦春告鳥(しゅんしょくうめごよみはるつげどり)」という危険な書物の一部を...
寺田寅彦 「科学と文学」
...田舎(いなか)の親戚(しんせき)へ泊まっている間に「梅暦(うめごよみ)」をところどころ拾い読みした記憶がある...
寺田寅彦 「読書の今昔」
...同じ江戸風と申しても薗八一中節(そのはちいっちゅうぶし)なぞやるには『梅暦(うめごよみ)』の挿絵に見るものよりは少し古風に行きたく春信(はるのぶ)の絵本にあるやうな趣ふさはしきやに存ぜられ候...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...それにつきて思出し候は菊池三溪も亦梅暦を愛讀致され候ものゝ如く...
永井荷風 「荷風戰後日歴 第一」
...此(こ)の頃(ころ)に愛読した為永春水(ためながしゆんすゐ)の「梅暦(うめごよみ)」を思出(おもひだ)した...
永井荷風 「すみだ川」
...此梅暦に拠(よ)ると...
二葉亭四迷 「平凡」
...部屋へ閉じ籠って夢中で「梅暦(うめごよみ)」か何かに読み耽っているらしかった...
正岡容 「小説 圓朝」
...次の日も「梅暦」で夜も日も明けないらしかった...
正岡容 「小説 圓朝」
...「梅暦」ももうおしまいになったとみえてお神さんはおしのどんを指図して台所で春の仕度に余念がなかった...
正岡容 「小説 圓朝」
...師匠が夫婦して夢中で読んでいた「梅暦」をようやく手に入れて貪るように読み耽っていた圓朝はめっきり大人びて憂いを帯びてきた目を上げて...
正岡容 「小説 圓朝」
...自分が梅暦(うめごよみ)の丹治郎のようであって...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...初て梅暦を又借をして読んだ頃から後...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...梅暦(うめごよみ)の千藤(ちとう)である...
森鴎外 「細木香以」
...作爲といへば爲永春水(ためながしゆんすゐ)の梅暦(うめごよみ)にも...
吉川英治 「折々の記」
...梅暦(うめごよみ)の挿絵(さしえ)で見るような萩(はぎ)の籬(まがき)で一軒家...
吉川英治 「松のや露八」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??