...」東雲(しののめ)の煤(すす)ふる中や下の関四...
芥川龍之介 「病牀雑記」
...置き余る露の珠が東雲の光と冷かな接吻(くちづけ)をして居たのだ...
石川啄木 「葬列」
...山火事の天を焦(こが)して霜赤し蒼苔低く飛ぶ星あり今宵霜降らん東雲鶺鴒(せきれい)の尾にぞ霰(あられ)のはじかれし蒼苔橋に来てまたはら/\と霰散る花牛堂大いなる霰ころがりて縁に消えざる虚子玉霰忽(たちま)ち来り忽ち歇(や)む楽天京に入つて霰に笠を叩かれつ不迷物思ふ窓を霰に叩かれき不染あられうつ石峨々(がが)として水急なり霜磧こんな類(たぐい)であります...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...それがよかろう」ということになって奥村藤次郎はそこで高村東雲となって仏師として世に現われたのでありました...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...東雲師はまだその頃は独身であった...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...私の師匠の東雲と...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...その夜のお客は、師匠東雲先生、お若の養母おきせさん、仲人の高橋定次郎氏、私の兄の家内に、両親、我々両人、その他一、二名と覚えております...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...ところが師匠東雲師も美術部の方へ何か出すようにという催促を受けました...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...高村東雲の作白衣観音が勧業博覧会において竜紋賞を得たり」と大声で読んでおりますので...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...吾妻橋(あずまばし)を渡って並木の方から東雲師の店(当時は駒形(こまがた)に移っていた)を差してやって来たのでした...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...ついでながら師匠東雲師の家の跡のことをいって置きましょう...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...東雲歿後は父を師匠代りにして来ていた...
高村光太郎 「回想録」
...「全く……」東雲はしげしげと兵馬の面(おもて)を見直しました...
中里介山 「大菩薩峠」
...旅にお出かけなさるのですか……そうしてこのお金を、わたしに預かれとおっしゃるのは?」「かねがね話してもおきました通り」兵馬は思い切って語り出でようとする時、廊下に人の歩む音があって、「東雲さん、東雲さん」「はい」その声を聞くと女が、そわそわと立ち上り、「少しの間、待っていて下さい」にっこりと愛嬌を見せて行ってしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...東雲(しののめ)の名を呼んだのは間もないことであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...記憶はほの白む汽車の窓にわびしい東雲をながめるやうで過ぎさる生活の景色のはてをほのかに消えてゆく月のやうだ...
萩原朔太郎 「記憶」
...東雲(しののめ)の空を待っていた...
吉川英治 「三国志」
...合(あい)の手を入れると――ふけて廓(くるわ)のよそおい見れば宵のともし灯うちそむき寝の夢の花さえ散らすあらしの誘い来て閨(ねや)を連れだすつれ人男よそのさらばも尚あわれにて裏も中戸も開くる東雲(しののめ)送るすがたのひとえ帯とけて解(ほど)けて寝みだれ髪の黄楊(つげ)の――黄楊の小櫛(おぐし)もさすが涙のばらばら袖に『浮様』『なんじゃ竹之丞』『ちゃっと...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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