...朱塗りの欄干(らんかん)が画(えが)いたように...
芥川龍之介 「奇遇」
...たいそう結構な朱塗りの高脚(たかあし)のお膳が出て...
谷崎潤一郎 「紀伊国狐憑漆掻語」
...肉をさらし取って朱塗りにあそばされ...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...しかし枇杷葉湯のあの朱塗りの荷箱とすがすがしい呼び声とには...
寺田寅彦 「物売りの声」
...ばかに大きな三組の朱塗りの杯で...
豊島与志雄 「幻の園」
...朱塗りの色さめた弁天堂の裏手へ進んで行くと...
永井荷風 「曇天」
...朱塗りの雪洞(ぼんぼり)が...
中里介山 「大菩薩峠」
...その上下共に朱塗りの欄干が続いて取り付けられている...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...朱塗りのカラス面をかむつてゐた...
牧野信一 「ゾイラス」
...同じく壁にかけられている目の醒めるような派手なドレス――朱塗りの鳥籠に青い鸚鵡(おうむ)が一羽いても...
正岡容 「艶色落語講談鑑賞」
...風雅な朱塗りの箸で名代(なだい)の共白髪をはさみかけたが...
正岡容 「圓朝花火」
...こいつで、見当をつけねえ限り、他所(よそ)さまの金蔵になんぞ、手がつけられるもんじゃござんせん」金網行灯(かなあみあんどん)がぼんやり照らしている、脇玄関で、彼等が、こんなことをいい合っている頃、土部三斎は、奥まった蔵座敷で、黒塗り朱塗り、堆朱彫(ついしゅぼり)、桐柾(きりまさ)――その他さまざまの、什器(じゅうき)を入れた箱類を、前後左右に置き並べて坐っていた...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...朱塗りの燭台が立て並べられて...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...ふさ飾りのついた朱塗り蒔絵(まきえ)の枕は...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...よくその赤い朱塗りの鳥籠をのぞいた...
室生犀星 「童子」
...朱塗りの手鏡だの...
矢田津世子 「父」
...それらをつなぐ長い朱塗り青塗りの唐朝風な歩廊を...
吉川英治 「平の将門」
...朱塗りの木枕と男枕の並んでいる夜具を畳んで押入れに押し込むあいだ...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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