...自分の技倆(ぎりょう)の未熟さはさておき...
田中英光 「オリンポスの果実」
...未熟さの意識だのに悩んだってかまわない...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「かもめ」
...その幼稚な未熟さにあるのではなくて...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...「ド・レストー伯爵が私の未熟さを大目に見てくれたことに気づいたんです...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...その点になれは彼の未熟さは自他ともに欺くことは出来なかった...
本庄陸男 「石狩川」
...本質的な未熟さとしてあるのは...
宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第一巻)」
...「一つの芽生」に暗示されている環境そのものから来ている無力と未熟さによって...
宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第一巻)」
...プロレタリア文学の戦線拡大に対する政治的態度の未熟さと...
宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第十巻)」
...自身の未熟さを思えばそれは手も足もどこに向って伸してよいか分らないようになるのが当り前と思う...
宮本百合子 「女の歴史」
...眺めて感じる親しい未熟さ(技術上の)が何だか却って私を自分の仕事に努力させるような面白さがあります...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...このお手紙で云われている必然的未熟さの征服のことは...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...人間の成長には常に一面の未熟さが伴って...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...この点で化学は未熟さを匿(かく)すことは出来ません...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...人間としての未熟さを忌憚(きたん)なく出している...
吉川英治 「新書太閤記」
...自分の道念(どうねん)の未熟さを悲しむのであるが...
吉川英治 「親鸞」
...兵法の大乗的な見地から観れば、これは明らかに武蔵の敗(やぶ)れであり、武蔵の未熟さを、見事にお杉婆の信仰心と切っ先が、暴露して見せたものといって差しつかえなかろう...
吉川英治 「宮本武蔵」
...自分の未熟さを、ここにも見出して、彼は大人の前に小さく羞恥(はにか)んでしまう一箇の未成年者でしかなかった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...その道の遠さ、未熟さが、自分には、余りに分りすぎているので、時折の迷いと、苦悶とが、烈しく襲ってくるのだった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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