...曾て彼等と雜居してゐた時よりも...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...この女だ――姉よりも妹の方が眞面目だと義雄が批評したのを人づてに聽いて、曾て、わざ/\「不眞面目生」と稱して愛嬌ある手紙を渠によこしたのは...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...われ曾て、東京及び其附近にて、眺望のすぐれたる處を選びて、六個處を得たり...
大町桂月 「狹山紀行」
...13.傳説によると此の沙漠は曾て湖水だつたと云ふ...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...曾て一大貝塚有りし證跡(せうせき)を留むと云ふ...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...曾て一葉(いちよう)女史(じょし)の墓を見に来た時歩き廻った墓地である...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...また私の曾て勤めていた或る大学の東洋哲学の教授先生は...
戸坂潤 「読書法」
...曾て原敬氏を罵つて國賊と爲すや...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...曾て各大臣の補弼を藉りたることなきのみならず...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...曾て屡々議会に現はれたる大臣責任問題に関しては...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...僕は曾て木氷というものを見たことがあった...
永井荷風 「申訳」
...それは曾て女地主コローボチカの農奴であった...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...此女は曾て破素された者と知り...
南方熊楠 「蓮の花開く音を聽く事」
...曾て御前で國書を進講した京都の猪熊先生の宅には由來の知れぬ婦人が時々現はれ...
南方熊楠 「人柱の話」
...曾て短册などに筆を染めた事がないのであつた...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...重臣某の曾て正弘より賜つた継上下(つぎかみしも)を捧げたのを著て...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...この本と私との関係については曾て雑文を書いたことがある...
柳田国男 「故郷七十年」
...曾て犯した唯心論的文学の古き様式をさえも...
横光利一 「新感覚派とコンミニズム文学」
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