...――義雄は曾て實際にさうされた時の力を感ずる――「馬鹿!」――「不孝者め!」――「先祖代々の業(ごふ)さらし!」などと...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...曾て夏に見し景色とは...
大町桂月 「房州紀行」
...知らず皇帝は曾て宮中肅清を誡めたることあるか...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...將た板垣伯が乖謬無名の辭表を天に捧げて宸襟を煩はし奉りたる際にも此の一侯一子が閣僚として曾て板垣伯に善を責むるの道を盡さず...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...曾て黨派的感情の爲めに其去就を定めたることはあらじ...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...曾て侯に服従したるものまでも遽かに侯に背き去れるを見たりき...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...曾て窘窮したる迹を示さず是れ其戦略巧妙にして進退掛引善く機宜に適するものあるが為なり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...曾て新橋巴家へ出入せし呉服屋井筒屋の番頭に逢ふ...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...曾て文藝春秋社の徒が...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...「あッ」曾て表の青侍が迷い込んだ木戸のあたりに...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...曾て金三千枚で所望された...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...兄の肉身は曾て一度も汝の額に觸れたことはない...
萩原朔太郎 「散文詩・詩的散文」
...また曾て一度行つたことのある人達には...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...未だ曾て類ひなき極悪人たらしめて...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...曾て其他を知らざるが如し...
正岡子規 「萬葉集卷十六」
...曾て板垣さんが自由は死せずと呼号した時代に...
柳田国男 「故郷七十年」
...曾ては日本に此種の文芸の盈ち溢れて居た時代もあったのである...
柳田國男 「夢と文芸」
...わが曾て岳父御(しうとご)に誓ひし一生不犯(ふぼん)の男の貞操は...
夢野久作 「白くれない」
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