...我々はかう云ふ旺盛なる「我」に我々の心を暖める生命の炎を感ずるのである...
芥川龍之介 「僻見」
...娘の瞼(まぶた)を暖めるように見える...
泉鏡花 「薄紅梅」
...抱(だ)いて暖めるような態度で...
伊藤左千夫 「廃める」
...さっきは手を暖めるべく本を読むのを中断するのがあれほど苦痛だったにもかかわらず...
高見順 「如何なる星の下に」
...真冬に子供がかじかんだ手を息で暖める恰好を...
高見順 「いやな感じ」
...自分のまはりのみを暖めることを知つてゐる貧しい蝋燭のことなど...
立原道造 「夜に就て」
...旧交を暖めるのはゆーかーいだよ……」こういいながら...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...静かに人の魂を暖めるものであって...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...幾日も障子襖を閉切(しめき)つたまゝ炭の火で無暗と暖める爲めであらう...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...飛行場の大気を暖めるなどというと...
中谷宇吉郎 「霧を消す話」
...手術室を毎日暖めることが出来なかったからである...
中谷宇吉郎 「ケリイさんのこと」
...己(おの)れとわが手を暖めるのである...
夏目漱石 「永日小品」
...山奧へ行つて林間酒を暖める體(てい)の風流はあきらめる...
沼井鐵太郎 「黒岩山を探る」
...凍えた手を暖める時のやうに沈重な息を吐いた...
牧野信一 「毒気」
...止を得ずただ無暗と樹の枝を焚いて身体を暖めることになった...
牧野富太郎 「利尻山とその植物」
...そしてガスパールおじさんと「先生」がわたしを暖めるために...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...うとうとと折柄膝(ひざ)がしらを暖める日ざしに誘われながら...
室生犀星 「お小姓児太郎」
...世の中に無用に生きているに過ぎない一個の空骸(むくろ)を暖めるために火を燃やす...
吉川英治 「宮本武蔵」
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