...朝霧の下りた梓川の谷を――しかしその霧はいつまでたっても晴れる景色(けしき)は見えません...
芥川龍之介 「河童」
...悲しみも一時的にとどまることはあれ、いつかは乗り越えられ、晴れるものだ...
ジェイムズ・アレン James Allen 大久保ゆう訳 「朝に想い、夜に省みる」
...けれども僕の気分も妻の顔色も晴れるまでにいたらなかった...
伊藤左千夫 「去年」
...あとはすぐ晴れるというような軽快な心持が主として人の心を支配しますから...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...からりと晴れると...
田中英光 「オリンポスの果実」
...降るのでも晴れるのでもない入梅前の天候が鬱陶(うっとう)しく...
谷崎潤一郎 「細雪」
...もし貴下の側に於いて十分御疑念の晴れるまで調べて下されば尚(なお)結構である...
谷崎潤一郎 「細雪」
...こゝろの中のわだかまりがいっときに晴れるのでござりました...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...静かで落著いてはいるが気の晴れる...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...それが晴れると蒸し暑くなって...
寺田寅彦 「からすうりの花と蛾」
...その嫌疑が造作もなく晴れるようではこの「与太者(よたもの)ユーモレスク...
寺田寅彦 「初冬の日記から」
...気が晴れるほど呑むは宜(い)いが...
樋口一葉 「にごりえ」
...晴れると、日ごとに、空も、海も、青の濃さを増す...
火野葦平 「花と龍」
...晴れるのも速かで...
牧野信一 「裸虫抄」
...やがて空が晴れる...
水野葉舟 「土淵村にての日記」
...どんなに語っても中納言は心の晴れることを覚えないままで深更になった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...深い靄(もや)が一度に晴れるように...
山本禾太郎 「抱茗荷の説」
...車中の者は身を縮めて晴れるのを待つばかり...
吉江喬松 「木曾御嶽の両面」
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