...すつきりと晴れた空から...
石川啄木 「第十八號室より」
...書椽の方の障子一枚開くと真青な松の梢と高い晴れた空が覗かれる...
伊藤野枝 「日記より」
...よく晴れた空が見えるようで...
海野十三 「ふしぎ国探検」
...暖い靄が天と地の間に濛々と湧き起り晴れた空には光り初めた許りの星がゆつくりと光り廣大な同情と慈惠はおだやかに地上に降りて來る...
千家元麿 「自分は見た」
...太い煙突から晴れた空へ煙が青くのぼつてゐた...
太宰治 「陰火」
...処女(おとめ)の袖(そで)の様に青々と晴れた空には...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...池の面(おもて)や白い花や急に晴れた空や月の光などが...
豊島与志雄 「魔法探し」
...雨あがりの晴れた空と日光の下(もと)に...
永井荷風 「日和下駄」
...晴れた空に屹立(きつりつ)してゐる...
林芙美子 「浮雲」
...からりと晴れた空...
林芙美子 「新版 放浪記」
...そんな中へ、おれが、首を突っ込んだら、晴れた空に、黒くもが射すようなものだ――はいってゆきたくねえなあ――とためらって、大凡(おおよそ)、小半ときもそうしていたろうか? その中(うち)に、夕飯がすんだらしいから、思い切って、台どころから、おふくろに声をかけようか――ここで、気を弱くしちゃあ、友だちが、どうなると、決心すると、塀をはなれようとすると、そのとき、妙なひそひそばなしが、ついうしろの方で、きこえたんだ――一てえ、どんな事をいっていやがったと思う?」一四そこまで話して来て、闇太郎の目は、異様にふすぼり、語調はためらい、低(ひく)まるのだった...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...あの日は一日時々晴れた空からパラパラと来てね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...丁度よく晴れた空みたいだ」「そんねえに...
三好十郎 「おスミの持参金」
...ちょうど午の休けい時間に徹男さんが私を訪ねて来たそんな事は初めての事なので変に思って門衛の所へ行くとあの人はいつもの学生服で珍らしく明るい微笑で立っていた二人は構内を塀に添ってユックリと歩く「何か御用?」と私は言ったが徹男さんが用事で来たのだとは思っていないあの人も何も答えず晴れた空の下をユックリと歩くそのうち...
三好十郎 「殺意(ストリップショウ)」
...晴れた空路が見えてゐた...
三好達治 「測量船拾遺」
...ぼんやりと窓の外の明るく晴れた空を見ていた...
山川方夫 「一人ぼっちのプレゼント」
...晴れた空に重苦しく停(とゞま)つて...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...雑木の木(こ)の間(ま)にそれを眺め眺め下りて行くと時雨らしいものが晴れた空からはらはらと降って来る...
若山牧水 「みなかみ紀行」
便利!手書き漢字入力検索