...倫敦(ロンドン)の春草を踏む我が草履(ぞうり)四月二十八日 朝七時前ハーウツチ港著...
高浜虚子 「五百五十句」
...春水(しゅんすい)をせせらぐやうにしつらへし唄(うた)ひつつ笑(え)まひつつ行く春の人春草を踏み越え/\鳩(はと)あるく三月十九日 物芽会...
高浜虚子 「六百句」
...長い間冬威(とうい)にうら枯れていた灰色の草原に緑の春草が芽ぐんだように一点の潤いが私の胸に蘇(よみがえ)ってきた...
近松秋江 「霜凍る宵」
...武男さんの事だがの――」むなしき槽櫪(そうれき)の間に不平臥(ふてね)したる馬の春草の香(かんば)しきを聞けるごとく...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...菫(すみれ)蒲公英(たんぽぽ)のような春草(はるくさ)...
永井荷風 「日和下駄」
...先生の「春草堂詩鈔」に次の如き長詩がある...
中村憲吉 「頼杏坪先生」
...春草堂詩鈔の北郡の諸詩を読んで行けば...
中村憲吉 「頼杏坪先生」
...この先賢が私の郷邑の自然人事について詠んだ幾多の詩は「春草堂詩鈔」にのせられて残つてゐる...
中村憲吉 「頼杏坪先生」
...春草の漸(ようや)く青くなりかけた庭に降り立ちました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...小さな空地などが町に珍らしい春草を見せていた...
橋本五郎 「撞球室の七人」
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松本たかし 「松本たかし句集」
...春草の「落葉」は護立侯所蔵ですし...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...春水春草扁各居...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...あの頃の大觀や古徑や春草や誰や彼が矜持してゐた苦節とか氣概とか...
吉川英治 「折々の記」
...夭折の天才畫家としては、草坪、春草、御舟などがすぐ思ひ出されるが、その才華、天分、精進においては、靈山子もまた決してそれらの惜い人々にまさるとも劣つてゐるわけではない...
吉川英治 「折々の記」
...餘談にわたるが、その頃、大觀、春草、武山などをコンビにして、地方で畫會などを開くと、席畫を依頼にくる畫會のお客が、武山や春草の前にばかり押しかけて、大觀のところにはちつとも紙も絹も持つて來ないといふ有樣だつたさうである...
吉川英治 「折々の記」
...武山や春草のはうから依頼者の繪絹や色紙などをソツと拔いて來て...
吉川英治 「折々の記」
...その露をふくんだ春草の上へ駕尻軽く下ろされて...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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