...かの有名な田中の石地蔵の背(せな)を星明りに撫づるをさへ...
石川啄木 「葬列」
...星明りにすかして見れば...
大阪圭吉 「とむらい機関車」
...内部にあるほどのものはすべて灰色の星明りの中に異様な薄光りを放っていた...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「作男・ゴーの名誉」
...星明かりに登る雪路は...
辻村伊助 「登山の朝」
...ゆるい傾斜地のかなた低く、星明りにぼーと、広い水面がありました...
豊島与志雄 「沼のほとり」
...暗い中にぼーっとした星明りだった...
豊島与志雄 「道連」
...星明りの夕を逍遙(しょうよう)してるもののようだった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...路地の星明りに立っておりました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「妙な話だな……どういうことなんだい」「星明りで...
久生十蘭 「肌色の月」
...月は無かつたが朧月夜(おぼろづきよ)と云つた風に薄く曇つて居る星明りの中に汽車から下(お)りて直(す)ぐ前の桟橋に繋がれた汽船へ乗移つた...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...星明りも透(とお)さないほど...
吉川英治 「上杉謙信」
...そしてあとは星明りに光る流れの水が分るのみだが...
吉川英治 「江戸三国志」
...紫木綿(むらさきもめん)の包みを胸に、稽古を終えて帰って来たお次は、星明りの水に、獺(かわうそ)みたいな人影が、ざぶざぶ動いているので、「おや、誰?」と、眼をまるくして、「――岩公じゃないの...
吉川英治 「下頭橋由来」
...三名の人影が星明りを塞(ふさ)いでいた...
吉川英治 「新書太閤記」
...星明りもなき真の宵闇……...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...星明りとも水明りともつかず...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...で、星明りでも、互いにその姿を明瞭に認めえた筈である...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...矢矧(やはぎ)ばしと星明りに読める...
吉川英治 「宮本武蔵」
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