...華老栓(かろうせん)はひょっくり起き上ってマッチを擦り...
魯迅 井上紅梅訳 「薬」
...伏姫の膝に鼻面を擦りつけたり...
江見水蔭 「硯友社と文士劇」
...ぴったり頭を畳へ擦り付けて...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...毎夜のように相乗りをして引き擦り廻されて居るうちに...
谷崎潤一郎 「秘密」
...時々黒人(くろうと)上りの者を女房とも附かず引き擦り込む事がありますが...
谷崎潤一郎 「幇間」
...顔も手も足も擦り剥いだ...
種田山頭火 「其中日記」
...頬を擦り付けるようにして...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...「上衣の袖が擦り切れていたって...
豊島与志雄 「怒りの虫」
...畳の縁(へり)がぼろぼろに擦り切れている室が二つ...
豊島与志雄 「過渡人」
...擦り潰しそうに無制御な動き方をする...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...それを知ってたから彼に擦り寄ったんじゃない...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...駕籠擦りあう登城下城の混雑を見さだめ...
久生十蘭 「ボニン島物語」
...数分間というものはそれのすることはやはり私の外衣を擦り切ることだけであろう...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「落穴と振子」
...支店長の母親でありながら袖口の擦り切れた着物を着て...
正宗白鳥 「孫だち」
...古くなって擦り切れた革の財布であったが...
山本周五郎 「季節のない街」
...紙でも擦り合わせるような音をたてた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...わたしの後ろに身を擦り寄せて小娘のやうな声で啼(な)く...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...特に好んで新しい擦り傷のあるところへ吸いつく...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
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