...緑の露に袖擦りながら...
泉鏡花 「婦系図」
...伏姫の膝に鼻面を擦りつけたり...
江見水蔭 「硯友社と文士劇」
...至る所へ喰いちぎった餅菓子を擦りつけて...
谷崎潤一郎 「少年」
...手を休めて手擦りに凭(もた)れながら...
徳田秋声 「足迹」
...彼の視線を擦りぬけるやうに...
徳田秋聲 「二つの失敗」
...畳の辺(へり)は擦り切れ...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...大地へ額を擦り付けて頼んでも...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...羽根を擦り合せている音は...
林芙美子 「泣虫小僧」
...駕籠擦りあう登城下城の混雑を見さだめ...
久生十蘭 「ボニン島物語」
...間近く擦りよつた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...右の手くびの一部分もだいぶ擦りむけていて...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「マリー・ロジェエの怪事件」
...擦り空(へ)った石段の上に立った私は襟のつまった黒い服を着た老婦人に...
松本泰 「日蔭の街」
...きっと偉い人になって遊びに来ておくれ」と幾たびか頬擦りをしたあげくに野衾のように私の頬を強く強く吸った...
水上滝太郎 「山の手の子」
...力任せに肌を擦りながら...
山本周五郎 「夜明けの辻」
...」足もとへ擦りよって来る栗鼠の敏捷に動く尾を見降ろしていた矢代は...
横光利一 「旅愁」
...二人は擦りよるように身を蹲め...
横光利一 「旅愁」
...畳で摺(す)った頬骨の擦り傷から血がふいていた...
吉川英治 「黒田如水」
...その蟋蟀が戸板のような羽根を擦り合わせ...
蘭郁二郎 「地図にない島」
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