...故に我等が服從に於いて捨てるところのものは...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...世間の為にあなたの恋を捨てるのが...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...食いさしを川の中へ捨てると...
江見水蔭 「悪因縁の怨」
...義のために子供を捨てる宗吾郎のつらさを思って...
太宰治 「父」
...退屈凌ぎに三四行ずつ書きちらしてはそのまま破き捨てるんだから...
豊島与志雄 「愚かな一日」
...私は止むなく本姓に復歸することにだけは成りましたが然し私は落魄の故に貞淑な妻を捨てることは出來ません...
長塚節 「教師」
...そこいらへ吐き捨てるのが関の山だね……」富岡がつつぱなすやうに云つた...
林芙美子 「浮雲」
...もしフリーダが自分を捨てるようなことがあるなら...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...先方は義理固くて大将の遺孤(いこ)を見捨てる気は夢さらない...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...それでは音七と半兵衛を見捨てることになる...
久生十蘭 「重吉漂流紀聞」
...ホッとして身がまえを捨てるが...
三好十郎 「胎内」
...余計な仕業や無益な考えや企てを捨てる...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...結婚した人妻は春婦のように貞操観念を捨てるのが常態だと...
横光利一 「欧洲紀行」
...お前様が武士道を捨て世間を捨てる代りに...
吉川英治 「剣難女難」
...魏を見捨てる素地(したじ)ができていたに依るものであろうか...
吉川英治 「三国志」
...知らんというてくれよ」いい捨てると...
吉川英治 「宮本武蔵」
...彼らの傾向を捨てても人間を捨てるべきではなかった...
和辻哲郎 「転向」
...年老いたる翁を見捨てる姫の悲しみも...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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