...今さらそんな事ができてたまるか」倉地はかんで捨てるようにそういって横を向いてしまった...
有島武郎 「或る女」
...おれは用のないものは片っ端(ぱし)から捨てるのが立てまえだ...
有島武郎 「或る女」
......
ウイリヤム・バトラ・イエーツ 松村みね子訳 「心のゆくところ(一幕)」
...こうなったらうちもあんた捨てる訳に行かんよって...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...せんねんおだにのろうじょうのおりに捨てるいのちを生きのびておりましたので...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...その結び文を捨てる場所もありません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...金を貰って死体を海へ捨てるように頼まれた与市が...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...美しい尼は思いの外早く珠数を捨てる気になったようです...
野村胡堂 「百唇の譜」
...あなたを見捨てることはないだろう...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...そういい捨てると...
火野葦平 「花と龍」
...思い当ったことがあるかのように、身をこわばらせて、丁度(ちょうど)唐櫃のそばにかがやいている大燭台の光りをたよりに、もう一度、見込んだが――「あッ! これは! これは、浪! 浪路ではないか――」さすがに、声が、つッ走しって、その場にヘタヘタとすわってしまいそうな身を、やっと、ぐっと踏み止めて、「これは、浪路だな!」今は、汚れをいとうひまもなく、延べのきせるを投げ捨てて、掛(か)け衣(ぎぬ)をつかんで、投げ捨てると、両手で、死骸の首を抱き上げるように――「まぎれもない、浪路! ま、何で、このような、浅間しいことに――」と、うめいたが、闇太郎を、食い入るような目で、グッとねめつけて、「申せ! いかなれば、この品を、手には入れたぞ! 申せ! 申しわけ暗いにおいては、きさま、その場は立たせぬ」「御隠居さま、やっぱし世の中は、廻り合せというようなものがござんすねえ――このお方さまと、あっしとは、何のゆかりもねえお方――そのお方が、たった昨夜、息を引き取るつい前に、あっしと行き合ったのでござんすが、あなたさんの御縁の方とわかって見りゃあ、見すごしもならず、死に水は、このいやしい手で取ってさし上げましたよ――御臨終(ごりんじゅう)は、おしずかで、死んでゆきなされるのを却(かえ)ってよろこんでおいでだったようで、あの分では未来は極楽――そこは、御安心なすって下せえまし――」三斎隠居は、この闇太郎の物語が、耳に入るか入らぬか、ただ、ジーッとわが子のなきがらを、みつめつづけるのみだった...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...伸ばしつづける努力を打ち捨てるわけには...
三好十郎 「恐怖の季節」
...だがお互い命を捨てるのはいつでも捨てられる...
三好十郎 「斬られの仙太」
...それから自分にとってどうでもよいと思われることをかなり捨てることができました...
三好十郎 「抵抗のよりどころ」
...愛欲の念をだれも捨てることができないものなのです...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...よけいな物は今のうちに河へ捨てるんだ」彼は石の上へとびあがり...
山本周五郎 「柳橋物語」
...よしっ明日(あした)に官禄を捨てるとも...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...上がり口へ子供を捨てるようにして...
吉川英治 「忘れ残りの記」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??