...」女は籐椅子(とういす)へ編物を捨てると...
芥川龍之介 「母」
...こうなったらうちもあんた捨てる訳に行かんよって...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...この娘は人生を見捨てる前に人生を知る権利を持ってるではないか...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...自分を切って捨てることで...
中井正一 「生きている空間」
...出来やすきを取るが故に捨てるも捨てられるも皆その時の運とあきらめるは年来僕の取り来りし道にぞありける...
永井荷風 「桑中喜語」
...噛んで捨てるように言ってのけたのは...
中里介山 「大菩薩峠」
...お延は津田に何でそれを焼き捨てるのかと訊(き)いた...
夏目漱石 「明暗」
...細工をせずに斬つて捨てるだらう」「成程ね」「東海坊の祈祷がきかなくて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...何處かへ捨てるか隱すかしようと思ひましたよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「そのコーヒーは下げて行って、捨てるなり、どうするなり、それから菓子を持って来るのですよ……アア後をしめて」すっかり面喰って、涙さえ浮べた若い女中は、アタフ夕引下って、片手で扉(ドーア)をしめる拍子に、持って居たコーヒー道具の盆は、ツルリと手の上を滑って、廊下の板敷の上へ、アッと思う間もなく、微塵(みじん)にこわれてしまいました...
野村胡堂 「判官三郎の正体」
...まるで古い財布でも捨てるように...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...しょっちゅう捨てるんですか」「ええ...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...捨てる訳にはゆかん...
二葉亭四迷 「予が半生の懺悔」
...絶望において自己を捨てることができず...
三木清 「人生論ノート」
...シガレットの吸い残りをポイと投げ捨てる...
三好十郎 「胎内」
...ただ自分の輕蔑してゐる妻のために自分と自分の生命を投げ捨てる氣にはなれなかつた...
横光利一 「悲しみの代價」
...たちまち干乾(ひぼ)しに見舞われる」「いまは捨てるときでしょう」宋江の説である...
吉川英治 「新・水滸伝」
...片足から刎(は)ね捨てると...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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