...漂うごとくぼんやり止りましたが...
芥川龍之介 「妖婆」
...花の香漂う宴遊のむしろならぬ四畳半...
石川欣一 「可愛い山」
...素性も判らぬ小舟が一つ入江の岸に漂うて居た外には...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...不可思議な藻の様に漂う髪の毛...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...漂う気嚢の片隅にすがりつくことが出来た...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...政務の上を蔽い漂うのは...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...したがって一九一七年に海中に投ぜられましたこの函が二十九年間の歳月を海中に漂うてようやく到着いたしましたのが...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...賢次の家は蒲鉾屋(かまぼこや)であるからどことなしに魚の匂(におい)が漂うていた...
田中貢太郎 「春心」
...土室(どま)の中に漂うた酒と煙草の匂(におい)を吸うていた...
田中貢太郎 「水魔」
...何処(どこ)からか木犀(もくせい)の匂(におい)が漂うて来たりして...
谷崎潤一郎 「細雪」
...潮流に乗って漂うまでさ」「漂流?……よろしい...
寺島柾史 「怪奇人造島」
...淋しいようなものが漂うて来るのに...
中里介山 「大菩薩峠」
...漂う泡の陰を泳ぎ回っていた...
アーネスト・ヘミングウェイ Ernest Hemingway 石波杏訳 Kyo Ishinami 「老人と海」
...それが波に漂うて次第に沖の方へ遠ざかつて行くのを月の光りで見てゐると...
正宗白鳥 「月を見ながら」
...――(ここで繰返される「北大寮歌」の歌い方と歌の調子で登高の段階と四人の疲れ方や歩度や山の様子を暗示するように変化をつけること)歌(第一歌詞)都ぞ弥生の雲紫に花の香漂う宴の莚尽きせぬ奢に濃き紅やその春暮れては移ろう色の夢こそ一時青き繁みにもえなんわが胸思いを乗せて星影さやかに光れる北を人の世の...
三好十郎 「樹氷」
...石甃(いしだたみ)の上をダブダブと光り漂う湯の上に...
夢野久作 「鉄鎚」
...ほのかな暁闇の漂う中に...
吉川英治 「剣難女難」
...ドリアンはれいのハルワアドの画いた肖像画の歪んだ唇の辺に漂う冷酷な蔭を見たのであった...
渡辺温 「絵姿」
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