...フラ/\と頭の上に漂うて...
石川啄木 「鳥影」
...そこに漂う何かしら隠微(いんび)な魂が高話(たかばなし)を抑えつけて...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...右にゆらり左にゆらり無力に漂う...
太宰治 「鴎」
...したがって一九一七年に海中に投ぜられましたこの函が二十九年間の歳月を海中に漂うてようやく到着いたしましたのが...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...土室(どま)の中に漂うた酒と煙草の匂(におい)を吸うていた...
田中貢太郎 「水魔」
...離れて暗闇(くらやみ)の海に漂うと...
寺島柾史 「怪奇人造島」
...寒汐(さむしお)に漂うたら...
寺島柾史 「怪奇人造島」
...話し声がいよいよ高調子になって、狭い座敷には、酒の香と莨(たばこ)の煙とが、一杯に漂うた...
徳田秋声 「新世帯」
...漂うては来ないらしい...
中里介山 「大菩薩峠」
...浪のままに流れ漂うて往生する事がさかんに行なわれた...
中山太郎 「本朝変態葬礼史」
...漂う香水の匂いが若い国王の血管に浸透し...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「道化玉座」
...淋しい夜風の漂う底に...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...夕明りがまだ漂うている中空に...
室生犀星 「香爐を盗む」
...微(かす)かながら父母の何ものかが漂うているのだった...
室生犀星 「童子」
...舟が湖心に漂うていることに気がついた...
室生犀星 「みずうみ」
...澄み返った空にくらげの浮き漂うような安らかさで...
横光利一 「旅愁」
...いかにも悦び勇んで山行する若人の氣分が漂うてゐるのを感ずる...
吉江喬松 「山岳美觀」
...ただ人の世に漂うて生きて来ただけの女だ...
吉川英治 「大岡越前」
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