...心から捌けて洒落(しゃらく)であったかというと実は余り洒落でなかった...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...あらゆる手紙のなかにその捌け口を見出すのだった――それらの高雅な...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...捌け口をつくらねばならない...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...如何に高価でも多量でも充分に捌ける...
豊島与志雄 「崖下の池」
...しかし、流石、薩摩七十七万石を、手玉にとる妹だけに、捌けてらあ、小藤次、お前、あの女に、惚れているんだろうって、図星だね...
直木三十五 「南国太平記」
...捌けてくれたらと...
直木三十五 「南国太平記」
...僕等の關係は疾に知つては居ることゝは思つたがかう捌けて出ようとは意外であつた...
長塚節 「開業醫」
...一番に捌けのいゝ西瓜と甜瓜とが餘計に作られてある畑の隅の方に二畝三畝(ふたうねみうね)白い花が此れも靜かな沼の水に泡が泛いたとでもいふやうに...
長塚節 「白瓜と青瓜」
...それで搗く側からさつさと小商人へ捌けてしまふ...
長塚節 「松蟲草」
...自立の教師やあらゆる種類のヤブ医師は別として他の捌け口を探さなければならない...
マクス・ノイバーガー Max Neuburger 水上茂樹訳 「医学の歴史」
...商人たちは、定期市(いち)で仕入れてきたものの、値段が少し高いために一向はけなかった切地が、急に捌けだして、飛ぶように売れ始めたのを見て、ただもう吃驚してしまった...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...おらたちの小麦がとても旨く捌けねえと思ひなさるだね?」と何処か小さな町からでもやつて来たらしい...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...たとひ一升ぽつきりでも捌けようものなら...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...可哀想なのはよっぽどその癇癪の捌け口にされているこの俺のほうだろう...
正岡容 「小説 圓朝」
...勢(きお)い立っているいまの心の捌け場を探すもののよう目をやった...
正岡容 「小説 圓朝」
...マア何とかそこは又捌けるのでしょうが...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...廊下づたひの石手洗の水の捌け口に...
室生犀星 「故郷を辞す」
...水の捌ける音が一面に起っていた...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
便利!手書き漢字入力検索