...心から捌けて洒落(しゃらく)であったかというと実は余り洒落でなかった...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...初めから売捌けのよかろう筈はない...
大杉栄 「獄中消息」
...捌け口をつくらねばならない...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...如何に高価でも多量でも充分に捌ける...
豊島与志雄 「崖下の池」
...捌けてくれたらと...
直木三十五 「南国太平記」
...僕等の關係は疾に知つては居ることゝは思つたがかう捌けて出ようとは意外であつた...
長塚節 「開業醫」
...一番に捌けのいゝ西瓜と甜瓜とが餘計に作られてある畑の隅の方に二畝三畝(ふたうねみうね)白い花が此れも靜かな沼の水に泡が泛いたとでもいふやうに...
長塚節 「白瓜と青瓜」
...商人たちは、定期市(いち)で仕入れてきたものの、値段が少し高いために一向はけなかった切地が、急に捌けだして、飛ぶように売れ始めたのを見て、ただもう吃驚してしまった...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...おらたちの小麦がとても旨く捌けねえと思ひなさるだね?」と何処か小さな町からでもやつて来たらしい...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...たとひ一升ぽつきりでも捌けようものなら...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...小麦ひとつぶ捌けつこねえ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...可哀想なのはよっぽどその癇癪の捌け口にされているこの俺のほうだろう...
正岡容 「小説 圓朝」
...勢(きお)い立っているいまの心の捌け場を探すもののよう目をやった...
正岡容 「小説 圓朝」
...だんだん社交になれた人づきよい捌けた声の調子と態度とをとり戻し...
宮本百合子 「伊太利亜の古陶」
...マア何とかそこは又捌けるのでしょうが...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...廊下づたひの石手洗の水の捌け口に...
室生犀星 「故郷を辞す」
...建築、造園、教養、叡智、学問、そんなものに思いをひそめている人がいたらその人は庭をみながら柔かく教養、叡智の捌け口を、手つだってくれることに気づく...
室生犀星 「日本の庭」
...水の捌ける音が一面に起っていた...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
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