...阿Qは今持合せがないから一つの帽子を質に入れて...
魯迅 井上紅梅訳 「阿Q正伝」
...民家にそれぞれ持合せてゐる小壺を狩り集めて...
薄田泣菫 「小壺狩」
...どんな医者にも共通な自惚(うぬぼれ)だけはたつぷり持合せてゐた...
薄田泣菫 「茶話」
...こんな時間(ま)に合せの笑ひを持合せてゐたので...
薄田泣菫 「茶話」
...臍(へそ)の無い癖に人間並に一つは持合せてゐるらしい顔つきをしてゐるが...
薄田泣菫 「茶話」
...そんな折に余り害にならない薬を幾種(いくいろ)か持合せてゐる...
薄田泣菫 「茶話」
...幸にして持合があるので...
種田山頭火 「旅日記」
...この城を築くために甘んじて犠牲の奉公をつとめた落日の豊臣家時代の加藤清正ほどの潜勢力を持合せていないことは...
中里介山 「大菩薩峠」
...なかなかもって抑揚頓挫(よくようとんざ)波瀾曲折(はらんきょくせつ)の妙を極めるだけの材料などは薬にしたくも持合せておりません...
夏目漱石 「現代日本の開化」
...自分が犯人でないという証拠は全く持合せていないのだから...
橋本五郎 「殺人迷路」
...五弗しか持合わせがなかったので...
牧逸馬 「アリゾナの女虎」
...その落ちつきはまた持合せぬ...
牧野信一 「「或る日の運動」の続き」
...燐寸(マッチ)の持合せがあるなら貸してくれませんか...
松本泰 「緑衣の女」
...人の攻撃をこうむって即座に逆(さか)ねじを食らわすだけのものを持合せないときは...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...「コップ」それから私を見て「タバコの持合せはねえかね」私が答えると...
山本周五郎 「青べか物語」
...予等はまだ書くべき満洲の歌を殆ど持合さなかつた...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...酒とも理解を持合ふべきである...
吉川英治 「折々の記」
...然るべき剃刀の持合せもございません...
レスコーフ Nikolai Semyonovich Leskov 神西清訳 「かもじの美術家」
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