...持合せは確かにそれくらゐございましたやうに心得てをります」喜平はその日のいきさつを詳しく物語りました...
薄田泣菫 「小壺狩」
...俺が蔵書印を持合さなかったからのことで...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...支那人に一弗半の持合せがあつたら...
薄田泣菫 「茶話」
...雁はこの人達のやうに有り余る程な旅費と閑暇(ひま)とを持合さなかつたのだ...
薄田泣菫 「茶話」
...つらい事には西山氏は何一つ隠し芸を持合はさなかつた...
薄田泣菫 「茶話」
...三百フランばかりお持合せでせうか...
薄田泣菫 「茶話」
...一つも持合せがなかつた...
薄田泣菫 「茶話」
...それから半月許りの間先づ十風の病勢は持合つてゐたが此頃は醫者から談話を禁ぜられた...
高濱虚子 「俳諧師」
...彼は重いほど持合はせてゐるわけでもなかつた...
武田麟太郎 「釜ヶ崎」
...丁度持合せていたMCCかなんかを進呈してマッチをかしてやったら...
寺田寅彦 「喫煙四十年」
...」僕は紙入から折好く持合せていた百円札を出してお民に渡した...
永井荷風 「申訳」
...故郷(くに)へ帰り余生を安楽に暮らそうというような量見(之が普通の南洋行商人の目的だ)を全然持合せず...
中島敦 「光と風と夢」
...五弗しか持合わせがなかったので...
牧逸馬 「アリゾナの女虎」
...凡そ感傷性などは持合せない逞ましい近代娘で遊戯的な恋愛にも選手であるといふやうな噂を聴いたのだ...
牧野信一 「女に臆病な男」
...その落ちつきはまた持合せぬ...
牧野信一 「自己紹介」
...それは先生の持合せてゐないものを求めてゐるのであつて...
水上瀧太郎 「覺書」
...しかし香以の懐(ふところ)には即金二百両の持合せがなかった...
森鴎外 「細木香以」
...このおやじの持合せですむなら...
吉川英治 「江戸三国志」
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