...保証人がなく保証人を頼む二円の金の持合わせもないのだから軒並みに断られた...
井上貞治郎 「私の履歴書」
...こんなにお持合せで……」「いや...
江見水蔭 「備前天一坊」
...富岡鉄斎の画を持合せてゐる男が鉄斎の画には随分贋造(にせ)が多いと聞いて...
薄田泣菫 「茶話」
...腹のなかで十八語ばかりの立派な挨拶を持合はせてゐるらしかつた...
薄田泣菫 「茶話」
...これはまた「古松研」といふ紫石端渓の素晴しい名硯を持合せてゐた...
薄田泣菫 「茶話」
...お小使さへ持合はせてゐなかつたら...
薄田泣菫 「茶話」
...こんな時間(ま)に合せの笑ひを持合せてゐたので...
薄田泣菫 「茶話」
...二人は持合せのお世辞を取り交した...
薄田泣菫 「茶話」
...一つも持合せがなかつた...
薄田泣菫 「茶話」
...ちつとも持合せてゐないからだ...
薄田泣菫 「独楽園」
...甚九郎は持合せの薬を飲まし粥を炊いてやって喫(く)わせなどした...
田中貢太郎 「山姑の怪」
...ということについても全然なんらの知識も持合わせていない...
寺田寅彦 「鴫突き」
...」と僕は持合せた拾円紙幣二枚を渡すと...
永井荷風 「申訳」
...そうかといって、自ら進んで米友一流を開くほどの野心も、慢心も、持合せていない...
中里介山 「大菩薩峠」
...こちらには一向にその辺の好意の持合せがないと見え...
中里介山 「大菩薩峠」
...肉の持合せに不自由はないと言ったが...
中里介山 「大菩薩峠」
...故郷(くに)へ帰り余生を安楽に暮らそうというような量見(之が普通の南洋行商人の目的だ)を全然持合せず...
中島敦 「光と風と夢」
...茶器ならばそれも少々持合せ候とて...
森鴎外 「興津弥五右衛門の遺書(初稿)」
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