...何一つ女の心を惹く様な美点を持合していなかったではないか...
江戸川乱歩 「恐ろしき錯誤」
...恰度持合わせた絵筆をふるって...
大阪圭吉 「闖入者」
...かうした結構な魂を三つ迄持合せた紳士は...
薄田泣菫 「茶話」
...二人は持合せのお世辞を取り交した...
薄田泣菫 「茶話」
...いつも持合はせてゐるらしい顔つきをしてゐるものだ...
薄田泣菫 「茶話」
...この両者の持合が崩れぬ限り...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...幸にして持合があるので...
種田山頭火 「旅日記」
...持合せ以上の金額を請求されはすまいかということだった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...」僕は紙入から折好く持合せていた百円札を出してお民に渡した...
永井荷風 「申訳」
...そうかといって、自ら進んで米友一流を開くほどの野心も、慢心も、持合せていない...
中里介山 「大菩薩峠」
...自分が犯人でないという証拠は全く持合せていないのだから...
橋本五郎 「殺人迷路」
...懐中それを購ふ可き持合はせはなかつたこと云ふまでもない...
正岡容 「滝野川貧寒」
...持合せの金は大方消費(つか)って了(しま)った...
松本泰 「緑衣の女」
...単にわれわれの持合せている五つの感覚だけで...
三澤勝衛 「自力更生より自然力更生へ」
...百姓町人に利ける口の持合せはねえときまった...
三好十郎 「斬られの仙太」
...人の攻撃をこうむって即座に逆(さか)ねじを食らわすだけのものを持合せないときは...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...押借(おしが)り騙取(かたり)の度胸も持合わせず...
夢野久作 「名娼満月」
...――弓と弓とを持合うて...
吉川英治 「源頼朝」
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