...なんだか自分たちの方が寧ろ生活の悩みに負けているような気がする」「そんな風に見えますか」永島は内心のよろこびを抑えながらつつましく答えた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...それで以ってスクルージを張り倒して、抑え附けて、路地の中を歩いている人々に助けを喚んで、狭窄衣でも持って来て貰おうと咄嗟に考えたのである...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...頭を抑えるのも気が利かないと見えて...
中里介山 「大菩薩峠」
...どうやら強いて調子を抑えているのではないか...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...手の平で額(ひたい)を抑えた...
夏目漱石 「虞美人草」
...厭(いや)な心を抑えて亭主の意に従います...
夏目漱石 「創作家の態度」
...見たところフェンウィックはとても困っているが、何らかの理由で、自分を抑えて、ブロセットに調子を合せている...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...船長が興奮を抑え...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「幽霊島」
...ゆきすぎた声を抑えることのできない女との場合...
山本周五郎 「青べか物語」
...歯をくいしばる思いでけんめいに自分を抑えつけ...
山本周五郎 「菊屋敷」
...私をも、従者の一人として、お連れしていただけますまいか」「そりゃ、何の為に」「昨夜のお話には、宮方お旗上げの機も熟せりとのこと、一日も早く、この豊麻呂も身を国事にささげたい一念に駆られまする」「や、あっぱれな」俊基はその意気を愛(め)でて言ったが、しかし、ちとムチのききすぎた若駒の逸(はや)りを締めるように、それは抑えた...
吉川英治 「私本太平記」
...眉の辺を指で抑えた...
吉川英治 「私本太平記」
...ここにも後醍醐のおむねが内々降(くだ)って彼らの妄動をかたく抑えたものだろうか...
吉川英治 「私本太平記」
...いったん馬のたてがみに俯(う)っ伏して脇腹を抑えているかのように見えた光秀は...
吉川英治 「新書太閤記」
...また、あれほど、思いこんでいる勝入父子の意気地は、ここで抑えても、ほかの場合で、何かの形をとって、あらわれるにちがいない...
吉川英治 「新書太閤記」
...菩提心は念仏を抑えるという過ち――等...
吉川英治 「親鸞」
...つき上げる感情を抑えるように...
吉川英治 「源頼朝」
...内心の擾乱をじっと抑えて最後に痛苦を現わす眼のひらめき...
和辻哲郎 「エレオノラ・デュウゼ」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??