...小樽函館間の鉄道沿線の比羅夫駅の一つ手前に狩太といふのがある...
有島武郎 「農場開放顛末」
...無理に名をとった手前に対しても――...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「鷺娘」
...前より手前に落ちるようにした...
高見順 「いやな感じ」
...オベリスクの手前には奇麗(きれい)な橋がかかっていた...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...其の手前にプラトー状の一山脈があつたが...
沼井鐵太郎 「黒岩山を探る」
...楽器を叩(たた)き割る一歩手前に踏み止(とど)まったかの感がある...
野村胡堂 「楽聖物語」
...無事に越せたら石は手前にやる...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...手前にとっちゃ怪我の功名だ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...文太郎 手前には用がねえ...
長谷川伸 「中山七里 二幕五場」
...一番手前に低くひろがる平原...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...手前に頼みとおっしゃるのは?」「あなたがこの仕事をやりおうせて下されば...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...江戸にいれば御儒者衆の家柄で、寛濶な日々を送れたものを、こんな辺土の浦浜(うらはま)へ流れきて、不法の漁撈(ぎょろう)に連座し、つまらなく腹を切るというのは」「辺土々々といわれるが、手前にとっては、住みよいなつかしい土地であった...
久生十蘭 「奥の海」
...御裁許(ごさいきょ)役所の少し手前に...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...そしてそれが島の手前にでも置かれてあるかのやうで...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...手前に引き合わせてくれぬか」「会ってどうするのさ」「話があるんだ」「私が聞いて取次いであげようじゃないか」「御親切は有難いが...
吉川英治 「江戸三国志」
...虚無僧岩(こむそういわ)の手前に...
吉川英治 「江戸三国志」
...二年も前からの旧約をお待ちくだすった寛恕(かんじょ)の手前にも...
吉川英治 「随筆 新平家」
...とうとうこの宿(しゅく)の一ツ手前にある人なき峠で...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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