...手もなく引退(ひきさが)った...
大阪圭吉 「石塀幽霊」
...裸の泥棒には手もなく丸められた犬があったそうである...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...わたしは酒でも飲んだように手もなく酔(よ)っぱらってしまった...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...手もなく足も見えない...
永井隆 「長崎の鐘」
...悪者どもを手もなく追い払ってしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...人間は利口であると云おうが手もなくわかる事だ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...相談する相手もなく...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...手もなく宝山(ほうざん)流の振(ふ)り杖(づえ)さ」「…………」「そこへ勇太郎が帰って来たので...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...引取手もなく轉がされて居るのでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...永年同業で苦労したやうな人たちも就職を希望してゐて彼女は手もなく落されてしまつた...
北條民雄 「道化芝居」
...手もなく、あしらはれてしまつたわけさ...
牧野信一 「武者窓日記」
...とうとう妾が手もなく負けてしまつたのかしら――斯んなに云つても未だお前の眼つきは...
牧野信一 「夜の奇蹟」
...顔ぶれが変って話す相手もなく...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...伊兵衛などは手もなく云いくるめられると思うかも知れない...
山本周五郎 「夜明けの辻」
...小さい謙(けん)三郎は、手もなく、兄の紀(き)一郎に投げつけられて、強(したた)かに背を大地へ打ちつけた...
吉川英治 「剣の四君子」
...こう脆(もろ)く陥(お)ちたのは、松永久秀の密使が、大坂の本願寺へ援軍をたのみに行く途中、まちがって寄手(よせて)の佐久間信盛(さくまのぶもり)の陣へまぎれこみ、手もなく、捕まってしまったことが、一因(いちいん)である...
吉川英治 「新書太閤記」
...こうして、名利と、結婚政策の両面から、護は、平氏の三家を、手もなく、常陸源氏の族党に加えてしまい、そしていまや、この地方随一の豪族中の長老として、たれも、威権をくらべうる者もない...
吉川英治 「平の将門」
...手もなく捕えてしまったのであろう...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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