...葉子は鋸屑(おがくず)を塗りこめてざらざらと手ざわりのいやな壁をなでて進みながらようやく事務室の戸の前に来て...
有島武郎 「或る女」
...手ざわりの具合ではね」「しかし背中でよかったね」私はなぐさめた...
梅崎春生 「狂い凧」
...手ざわりだけでは...
海野十三 「火星兵団」
...手ざわりだけがあって形はなかった...
海野十三 「ふしぎ国探検」
...雪子の手首がそのすぐ上のところで手ざわりがなくなっているのだった...
海野十三 「四次元漂流」
...その手ざわりをなつかしんでいると見せて...
海野十三 「人造人間殺害事件」
...鶏のように相手の頸の骨が折れてしまった手ざわりを意識しながら...
江戸川乱歩 「月と手袋」
...「手ざわり」だとか「肌ざわり」だとか...
高神覚昇 「般若心経講義」
...着馴れぬ絹物の妙につめたい手ざわりと...
寺田寅彦 「新年雑俎」
...かたい蒲団の手ざわり...
直木三十五 「南国太平記」
...思いの外に軟らかな手ざわりなのに...
中里介山 「大菩薩峠」
...只一筋にそっとはけて行く白い水の手ざわりを楽しんだ...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...すこし手ざわりの荒い...
久生十蘭 「キャラコさん」
...山地向陽の草間に生じて一株に一条ないし三条許(ばかり)の茎が出て直立し斜めに縦脈のある狭長葉を互生し茎と共に手ざわり(あ)らき毛を生ずる...
牧野富太郎 「植物記」
...何物にもたとえ様のない愛の手ざわりと...
宮本百合子 「悲しめる心」
...近くある眼とその手ざわりに感動して...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...その革手袋のしなやかな手ざわりが...
山川方夫 「一人ぼっちのプレゼント」
...手ざわりのいい羊皮紙(ようひし)――はがれた聖書の裏表紙?不審そうに見はッたお蝶のひとみは...
吉川英治 「江戸三国志」
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