...私は初めて自分を取戻したようにわが身を振返り...
井上貞治郎 「私の履歴書」
...彼は自己嫌悪の気持を稍(やや)取戻した...
海野十三 「地球発狂事件」
...僕がもうしばらくお連れ戻しになることを裕予して下さいと申上げたのは――...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「和製椿姫」
...あなたが此金(これ)で宣(よろ)しいようになすって下さい」といって押し戻しますと...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...少し元気を取り戻したようで...
太宰治 「『井伏鱒二選集』後記」
...早く不動様を戸波へ戻しに往け」山林の火は四方へ燃え拡がって山の畝(うね)りをはっきりと映しだした...
田中貢太郎 「不動像の行方」
...辛うじて自分を取り戻した...
種田山頭火 「其中日記」
...」「お見事!」とホームズは機嫌を取り戻し...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「三枚の学生」
...フェリアも自分を取り戻し...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...この迷子はつれ戻し先のわかっている迷子です――そうしてかくあるうちに...
中里介山 「大菩薩峠」
...伜を取戻して頂くなり...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...脱隊者をばあるいは尻を咬(か)みあるいは尾を執って引き戻しおし入れ振り舞わす...
南方熊楠 「十二支考」
...ああして水ぶつかけて正気に戻してからまたやるんだて...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...お前は残酷にも己を不慥(ふたし)かな人間の運命の圏内に衝き戻したな...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...「今朝は痛いけしきを見たよ」と島さんは云った、「いつもより早く出て、ちょっと自分の仕事をしていたんだがね、そこへ外国部次長の二平さんが来たんだ、あの人はいつも居眠りばかりしているだろう」「あれはもう芸の一つですね」と井河くんが云った、「タイプを打つのは一日にせいぜい五通くらいなもんでしょう、大事なものは部長がみんなやっちゃうからね」「中村部長は英語が達者なんだ」と松井くんが云った、「法明大学の夜間部の教授をしているくらいだからな、しゃべらせてもアクセントが違うよ、アクセントがね」島さんは湯豆腐の鍋へ、それぞれの食品を入れながら、二平さんが一日じゅう居眠りをしているようすを、身振り入りで語り、上品に笑い、デリケイトな発作が過ぎ去るのを待って、話を戻した...
山本周五郎 「季節のない街」
...素早く私の肩を押えて引き戻した...
夢野久作 「冗談に殺す」
...漸く蜘蛛の網からその生命(いのち)をとり戻した身体を休めて...
横光利一 「蠅」
...どっと室内へ押し戻してしまった...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
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