...私は彼に憧憬を抱いています...
...憧憬に満ちた未来を思い描く...
...彼女は私の憧憬の的です...
...彼がそんな憧憬を持っていたなんて知らなかった...
...この場所には憧憬を感じる...
...君は性格の中に植え込まれた憧憬(どうけい)を一刻も捨てなかったのだ...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...自分の母を恋うる気持はただ漠然(ばくぜん)たる「未知の女性」に対する憧憬(どうけい)...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...こんな風景と生活とに憧憬に近いものを抱いている...
外村繁 「澪標」
...作者の意識や憧憬が時としては強ひて読者を此の情調中に引入れやうと勉めてゐる点がある...
永井荷風 「谷崎潤一郎氏の作品」
...十二歳のとき自分より六つ年上の少女――大きな眼(め)をして薔薇色(ばらいろ)の靴(くつ)をはいた――エステルに寄せた憧憬(しょうけい)を...
野村胡堂 「楽聖物語」
...実に詩は現在(ザイン)しないものへの憧憬であり...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...ボクさんの星の世界への憧憬(あこがれ)は...
久生十蘭 「キャラコさん」
...憧憬も身もほそる恋情も...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...しかし憧憬(しようけい)の表象である...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...姫はまた憧憬の心を起した...
牧野信一 「嘆きの孔雀」
...憧憬はその白いベエルを...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...もしくは自己に憧憬する心において初めて正しき懐疑は見出されるのである...
三木清 「語られざる哲学」
...而して何等かの先入的憧憬又は羞恥を持った人が...
宮本百合子 「結婚相手の性行を知る最善の方法」
...やがて そろそろ 耀きの実体が見え憧憬と帰依とが 全心を占める...
宮本百合子 「五月の空」
...英雄の如きひびきと憧憬をもたせたものである...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...或る引例として引かれてあったこの古歌に無上の憧憬を覚えたのも矢張りそうした心を桜に対して懐いていたからであった...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...憧憬(あこがれ)と哀愁とに充ちた...
和辻哲郎 「院展日本画所感」
...当時の人心の驚異と憧憬とを語りつくして余さない...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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