...さうして到底其處まで身を屈することを許さゞる俺のプライドとイゴイズムと自己憐愍とのこゝろを思つた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...その寝姿の哀れに小さく見すぼらしいのがお由の心に憐愍(あはれみ)の情(こころ)を起させた...
石川啄木 「赤痢」
...と憐愍(あわれみ)はしたけれども...
泉鏡花 「婦系図」
...貴女の御憐愍(ごれんみん)を願おうと思っていたんですけれど...
泉鏡花 「婦系図」
...いと深き憐愍(あはれみ)垂れさせ給へよと...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...憐愍(あはれみ)を乞(こ)ふ悪人(あくにん)どもが世間(せけん)にある...
マルセル・シュヲブ Marcel Schwob 上田敏訳 「浮浪学生の話」
...万一の御憐愍(ごれんみん)を願ふ意なんだらう...
内田魯庵 「犬物語」
...「私のことを言っているのですけれど?」僕はまたまた憐愍(れんびん)に似た情を感じたのである...
太宰治 「彼は昔の彼ならず」
...一種の憐愍の情のようにしか打って来ないんです――たまりません!李剛 (平静に)はっはっは...
林不忘 「安重根」
...後日佐助は自分の春琴に対する愛が同情や憐愍(れんびん)から生じたという風に云われることを何よりも厭(いと)いそんな観察をする者があると心外千万であるとした...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...祖国につながる女性の血を想いやる憐愍の情からの故であったのであろうか否か...
豊島与志雄 「上海の渋面」
...憐愍(れんびん)の情に満ちてる目でその壁を貫き...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...憐愍(れんびん)から発した峻厳(しゅんげん)の毀損(きそん)...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...野垂死をするように――その光った眼は物乞いの憐愍(れんびん)さのような微笑さえして――その死体は...
直木三十五 「南国太平記」
...ああ何と云う悲しい陰惨な計略!私は闇を歩き乍ら、自分を憐愍して、女のように嘆いた...
松永延造 「職工と微笑」
...時には原作の偉大さと所演の貧弱さの餘りに極端な對比が惹起する憐愍から...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...生類御憐愍(おんあわれ)みという二法令ほど...
吉川英治 「大岡越前」
...憐愍(れんびん)の取りなしがあったので」「いけません」袁紹は...
吉川英治 「三国志」
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