...三導びく人の温かきみ手にひかれて睦み合ふ我が三百の兄弟よ木枯ふけど雪ふれどきえぬ學びの燈の光を永久に守らまし...
石川啄木 「唱歌」
...松の幹は生きて血がかよっているものみたいに、温かかった...
太宰治 「パンドラの匣」
...同じ有色民族たる印度の人々へは温かき友情を示すべきではないか...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...温かそうな毛皮の外套を着こんだ一人の貴婦人が...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「幻想」
...温かつたり寒かつたり...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...真底(しんそこ)のどこにか人の情の温か味というものがこの冷たい人の血肉の間にも潜(ひそ)んでいて...
中里介山 「大菩薩峠」
...南の空が怪しい温か味を潮したかと見る間に...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...中學校の先生には稀に見る程の温かな人格者で...
南部修太郎 「猫又先生」
...生温かさの上に彼らは安住する...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...作るものは温かく品高い蒸物(むしもの)などに皆を喜ばした...
室生犀星 「津の国人」
...自分たちのためにあの飲物を温かく味良く用意してくれるのは彼女であると...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...あの茶人たちはいかに温かさと親しさとを以て...
柳宗悦 「工藝の道」
...温かい微笑である...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...そんな温かいものでなく...
吉川英治 「上杉謙信」
...安太郎は着物を透してくる女の涙の温かさを肌に受け取っていた...
吉川英治 「鬼」
...其處に自分の心の迷ひ出でて居る寂しさ温かさを覺えずにはゐられないのだ...
若山牧水 「樹木とその葉」
...画面全体が快く調和のとれた、温かい、ニュアンスの多い色で塗られている...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...心の奥より秋の日のような清く温かき光が照らして...
和辻哲郎 「初めて西田幾多郎の名を聞いたころ」
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