...「形ばかりの世界」を破ってその中の真を捕えようとする時にも必ず私たちは温かき心をもってしなければならない...
芥川龍之介 「日光小品」
...彼の生涯に人間らしい親しみと温かさとを添へるのみで...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...温かい情……かくまで自分に親しくしてくれる人が...
石川啄木 「鳥影」
...それは温かであつぼったい響で...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「汪士秀」
...雪は美しい、友情は温かい、私は私自身を祝福する...
種田山頭火 「旅日記」
...大正年間の大噴火に押出した泥流を被らなかつたと思はれる部分の山腹は一面にレモン黄色と温かい黒土色との複雑なニュアンスをもつて彩どられた草原に白く曝らされた枯木の幹が疎に点在してゐる...
寺田寅彦 「雨の上高地」
...春の夜の外気は恋人の呼吸のように香(かん)ばしく温かですし...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...生温かく初夏の匂いを運んで...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...温かそうな毛の帽子を着た軍服姿の写真が満洲から送って来た...
原民喜 「翳」
...そのひとの掌は大きく温かくて...
久生十蘭 「キャラコさん」
...それを思えば家にいて温かいこたつに当っている方が数等楽な理であるが...
松濤明 「山想う心」
...作るものは温かく品高い蒸物(むしもの)などに皆を喜ばした...
室生犀星 「津の国人」
......
室生犀星 「星より來れる者」
...吾々に近づけば近づくほどその美は温かい...
柳宗悦 「工藝の道」
...温かい心を待ちわびている...
柳宗悦 「民藝四十年」
...温かい意識の中に慕(した)わしく記憶される日が来るであろう...
柳宗悦 「民藝四十年」
...昔もやはり温かい国の人の経験をもって...
柳田国男 「雪国の春」
...画面全体が快く調和のとれた、温かい、ニュアンスの多い色で塗られている...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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