...――その頃の英語の教科書で習つたこの感傷的な喩(たと)へ話(ばなし)は...
犬養健 「朧夜」
...滅びた主家の家臣らが思い思いに離散して行く感傷的な終末に「荒城の月」の伴奏を入れたのは大衆向きで結構であるが...
寺田寅彦 「映画雑感(3[#「3」はローマ数字、1-13-23])」
...どういうものかひどく感傷的な色彩を帯びて自分の生涯(しょうがい)につきまとって来た...
寺田寅彦 「銀座アルプス」
...庸三はその後一二度田舎から感傷的な彼女の手紙も受け取ったが...
徳田秋声 「仮装人物」
...均平は芝居や小説にある花柳情緒(じょうしょ)の感傷的な甘やかしさ美しさに触れるには...
徳田秋声 「縮図」
...それできみは感傷的な気持ちになって...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...すべての者が――偉大な者も愚かな者も――一種感傷的な慇懃(いんぎん)さで自分の魂を披瀝(ひれき)していた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...確かに尊重すべきものではあるがしかしひどく感傷的なものだと考えた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...感傷的な涙は止らなかった...
豊島与志雄 「道化役」
...彼女は君のような感傷的な比較的純情な青年を要求していたんだぜ...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...青年特有の感傷的な気もちで...
浜尾四郎 「彼が殺したか」
...感傷的なあるいは傲慢なジャーナリストのお喋(しゃべ)りをふりまきながらも...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...年寄りの感傷的な合掌が念仏を唱えてるものだよ...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...いつまでもひとりで感傷的な気分になっていることもある...
堀辰雄 「雪の上の足跡」
...書く方のコッペは感傷的なアイロニーと少し儀式張つた熱の高い抒情詩的であるが...
堀口九萬一 「フランソア・コッペ訪問記」
...夫人は妙に感傷的な気持ちになっていて...
牧逸馬 「双面獣」
...飯田さんなんか使って」若い娘たちの或る時代の気分から聖書や礼拝に何となし感傷的な気分を牽(ひ)きつけられていた学生の中にも...
「海流」
...頻りに感傷的な気持になつた...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
便利!手書き漢字入力検索