...むかし飼槽(かいおけ)の中の基督(キリスト)に美しい乳房(ちぶさ)を含ませた「すぐれて御愛憐(ごあいれん)...
芥川龍之介 「おしの」
...流石に愛憐の情に堪へない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...併し此熱は俺の愛憐の情を破壞し...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...愛憐は我胸に徹したり...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...こういううちに朝顔を愛憐(あいれん)する心持が強く読者の心に響きます...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...俄に強い愛憐の情が起ってきた...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...とかく己と段ちがひの劣弱者のみを愛憐するといふ人間一般のさもしい利己的な同情のもとにあつて天下に蟹本さんぐらゐ自由の天地をもつてるものはなかつた...
中勘助 「銀の匙」
...彼(かれ)は愛憐(あいれん)の情と気の毒の念に堪えなかつた...
夏目漱石 「それから」
...同類に対する愛憐(あいれん)の念より生ずる真正の御辞儀(おじぎ)である...
夏目漱石 「野分」
...悲しくも愛憐の色を湛(たた)えた眼に...
野村胡堂 「礫心中」
...げにそのひとの心をながれるひとつの愛憐そのひとの瞳孔(ひとみ)にうつる不死の幻想あかるくてらされまたさびしく消えさりゆく夢想の幸福とその怪しげなるかげかたちああ そのひとについて思ふことはそのひとの見たる幻想の國をかんずることはどんなにさびしい生活の日暮れを色づくことぞいま疲れてながく孤獨の椅子に眠るときわたしの家の窓にも月かげさし月は花やかに空にのぼつてゐる...
萩原朔太郎 「青猫」
...げにそのひとの心をながれるひとつの愛憐そのひとの瞳孔(ひとみ)にうつる不死の幻想あかるくてらされまたさびしく消えさりゆく夢想の幸福と...
萩原朔太郎 「定本青猫」
......
萩原朔太郎 「紫色の感情にて」
...後悔とも愛憐とも名状のつかぬ思いが湧涌してとめることが出来ぬ...
久生十蘭 「湖畔」
...(それが第三詩集「純情小曲集」に收められた「愛憐詩篇」である...
堀辰雄 「萩原朔太郎」
...そういう点もやはり愛憐をひきおこします...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...菊千代に対する同情と愛憐(あいれん)の気持を語った...
山本周五郎 「菊千代抄」
...こんな愛憐を一人の女に集中して...
吉川英治 「私本太平記」
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