...併し此熱は俺の愛憐の情を破壞し...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...愛憐(あいれん)の御手で...
高神覚昇 「般若心経講義」
...乃(すなわ)ち鄭子(ていし)が九尾(きゅうび)の狐(きつね)に逢(あ)いて愛憐(あいれん)するが如(ごと)くなるを致す...
田中貢太郎 「牡丹燈籠 牡丹燈記」
...たよりない幼いものに対する愛憐(あいれん)の情の源泉がやはり本能的なものだということが...
寺田寅彦 「映画雑感(3[#「3」はローマ数字、1-13-23])」
...それに対する愛憐と嘆息との色調があり...
豊島与志雄 「新たな世界主義」
...俄に強い愛憐の情が起ってきた...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...必ず親密と愛憐との心を起す事は...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...彼女の病患に愛憐の気持ちを深めこそすれ...
中村地平 「悪夢」
...彼(かれ)は愛憐(あいれん)の情と気の毒の念に堪えなかつた...
夏目漱石 「それから」
...「愛憐詩篇」の中の詩は...
萩原朔太郎 「純情小曲集」
...『これはさういふ種類の煙草です』さびしい情慾愛憐きつと可愛いかたい歯で...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...げにそのひとの心をながれるひとつの愛憐そのひとの瞳孔(ひとみ)にうつる不死の幻想あかるくてらされまたさびしく消えさりゆく夢想の幸福と...
萩原朔太郎 「定本青猫」
......
萩原朔太郎 「紫色の感情にて」
...愛憐もなく火に酔へる...
逸見猶吉 「逸見猶吉詩集」
...僧侶は頻(しきり)にこの児に対して愛憐の情を催し...
穂積陳重 「法窓夜話」
...恋のはじめのおとなひはかの青春に来りけりおなじき第二神来は蒼き上着にありにけりその第三は諸人の栄誉のなかに来りけりいまおゝその四愛憐は何たるぼろの中に来しぞも...
宮沢賢治 「機会」
...人をして思わず深い同情愛憐の心を起さしめる...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
...この見方によってのみ我々は、『中関白記』に清少納言は「肥後守秘蔵娘也、皇后愛憐之間、予密召レ之、雖レ然大酒不二女所為一、申二宮方一与レ暇」[肥後の守秘蔵の娘なり、皇后愛憐の間、予密かに之を召す...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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