...絶命前には小穴君を苦しめ并せて世間を騒がす惧れあり...
芥川龍之介 「遺書」
...却つて悲観する惧れがあると思つて居つたのであります...
井上準之助 「最近欧米に於ける財政経済事情」
...こいつは多きを惧れ...
辰野隆 「書狼書豚」
...それが日本とどこかの国との戦争へ導きはしないかという惧れからだった...
戸坂潤 「社会時評」
...世間の普通一般人が戦争を惧れるということの内には無意識の中にそういう忠良な意味が含まれているのである...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...心に別種な惧れを懐いていました...
豊島与志雄 「水甕」
...如何なる虐政を施すかも知らぬという惧れもあるので...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...――それは本当に惧れも恥も知らぬ悪魔の戯れでした...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...一概に嫌な惧れを感じた...
牧野信一 「蔭ひなた」
...今では先に自分のあのやうな痴想に惧れを抱いて...
牧野信一 「蔭ひなた」
...さうしないと軽蔑されるやうな惧れを感じたから...
牧野信一 「蝉」
...あまりわたしがいつまでも妙な眼つきをしてゐるので連れの人達はわたしが酒でも欲しがりはじめたのかと惧れ...
牧野信一 「湖の夢」
...狐大いに惧れて犬も来るんじゃないか...
南方熊楠 「十二支考」
...殊に昂奮して來ると激越な調子になり度がる田原を危險思想の持主かと惧れる者もあつて...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...榛軒は蘭方の快速と新奇とに惑されむことを惧れ...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...惧れ又は欲を生じて發するものを獸※と爲し...
森林太郎 「「言語の起原」附記」
...その他の客の首を絞めつけてゆくことになるかも知れない惧れを感じたからだったが...
横光利一 「旅愁」
...かういふ野火の惧れはなくなつた...
吉川英治 「折々の記」
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