...彼女は彼に恋着している...
...恋着する気持ちは分からない...
...私は彼女に恋着している...
...彼女は彼のことに恋着していた...
...彼が私に恋着したことを知っていた...
...彼は私に対して常人には一寸想像も出来ない程強い恋着(れんちゃく)を感じているらしかった...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...死ぬるばかりのくるしい恋着の思いをこめて敬礼する...
太宰治 「一日の労苦」
...田舎のわずかばかりの田畑に恋着して...
太宰治 「花燭」
...名への恋着に非ず...
太宰治 「HUMAN LOST」
...多年恋着していた婦人を正式に迎えるのはこの時と云うので...
夏目漱石 「創作家の態度」
...勘定をして見ると往来を通る婦人の七割弱には恋着(れんちゃく)するという事が諷刺的(ふうしてき)に書いてあったのを見て...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...この間などは「其後(そのご)別に恋着(れんちゃく)せる婦人も無之(これなく)...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...「寒月が何かその御令嬢に恋着(れんちゃく)したというような事でもありますか」あるなら云って見ろと云う権幕(けんまく)で主人は反(そ)り返る...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...ようやく思い付いたか「あなたは寒月の方から御嬢さんに恋着したようにばかりおっしゃるが...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...その処女が私を強い恋着の眼で見つめて居たように思い取れたのは……けれど私はそれを気にしなかった...
松永延造 「職工と微笑」
...平穏に巣ごもった男女の恋着のなま暖かさはない...
宮本百合子 「解説(『風知草』)」
...責任感と少年ぽい恋着の錯綜した感傷をも通って来ていた...
「海流」
...男子にても曾て恋着し...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
...然れども当座の参考のためにこれを要約して説明すれば、元来性慾もしくは恋愛なるものは、自己以外の異性に恋着する心理を指すものなれども、これをその本源に溯(さかのぼ)りて考察する時は、如何に没我的なる恋愛、もしくは性慾の発露なりと雖(いえど)も、畢竟(ひっきょう)するところ、自己の生ける霊肉の要求を愛惜し尊重する本能的主義的、もしくは利己的心理の表現に外ならず、故に、その性慾もしくは恋愛が、体質、性格及び境遇等に影響されて常住不断に飽く能(あた)わず……又は飽く方法を知らず……又は飽く事を知らざる(これと正反対なる性慾耄衰(ぼうすい)の場合にも略(ほぼ)同一の結果に達すれどもここには省略す)場合は、その欲求が極度に高潮尖鋭化し、深刻痛烈化し来る結果、遂(つい)に尋常の手段にては満足を得る能(あた)わず、窮極するところ遂(つい)に変態性慾の境界に脱線し去りて尚(なお)飽き足らず、更に窮極の極、その心理の本源に逆転し来りて、自己を恋着、愛惜する心理に陥り来るべきは必然の帰結なり...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...遂(つい)に人間本来の自己愛惜の本能に吸引せられて自己恋着に陥り来るに到るべし...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...所謂(いわゆる)NARZISSMUS(ナルジスムス)(自己恋着)はこれにして...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...しかもこの「自己恋着」と名づくるものの中にも亦...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...いかなる高貴の人もかぐや姫には死ぬほど恋着しなくてはならぬ...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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