...後者は微塵(みじん)も算盤気(そろばんけ)がなくて自由な放縦な駄々(だだ)ッ子(こ)気分を思う存分に発揮していた...
内田魯庵 「美妙斎美妙」
...僕は、「黄谷(きがや)青二」なるペンネームで探偵小説を書いていたため、それで司法官を志願したというわけではなく、ただ何となく、あの高い台の上に並んで、思う存分、事件を裁いてみたいと思ったからである...
海野十三 「深夜の市長」
...イギリス製のウィスキーを思う存分(ぞんぶん)呑(の)ませてくれればそれでよろしい...
海野十三 「独本土上陸作戦」
...思う存分にあなたの智慧(ちえ)を働かして下さい...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...疲れた四肢を思う存分伸ばして...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...私はその亡霊に思う存分の面罵(めんば)をして腹一杯呶鳴(どな)りつけて打って打って打ち据(す)えてやらなければ気の静まらぬような気持であった...
橘外男 「逗子物語」
...あの少年の出て来るまでたとえ一晩でも二晩でもその墓の前に頑張って私へ掛けてきたこの迷惑をこちらから思う存分に面詰してやらなければ...
橘外男 「逗子物語」
...私と一緒に暮らしてこそ思う存分の贅沢(ぜいたく)が出来ますけれども...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...思う存分手足を伸ばし胸を張り呼吸をしてみたくもなるものと見え...
徳田秋声 「縮図」
...罪を思う存分犯すためにはカトリックはなるほど不自由です...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...思う存分にその仕返しができたことを思うと...
中里介山 「大菩薩峠」
...今日は思う存分に使ってみたくなったんだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...思う存分に竿を入れる...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼女は他(ひと)に顔を見られずに思う存分泣けた...
夏目漱石 「明暗」
...思う存分やれるというものだわ」と...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...打つなり斬るなり思う存分にして懲らしめよ...
福沢諭吉 「女大学評論」
...山陰道も思う存分...
正岡容 「寄席」
...私は思う存分、足を伸ばして、凍った雪を踏みながらその家のうしろに出た...
水野葉舟 「遠野へ」
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