...竹山は平日(いつも)の様に念を入れて聞く風でもなかつた...
石川啄木 「病院の窓」
...それでは十分念を入れて御話しませう...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...念に念を入れて、私は四つん這いになり、何の音も立てずに小屋の隅の方へそろそろと進んだ...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...言葉づかいにも念を入れて...
谷崎潤一郎 「細雪」
...いったいどのようなお方でございましたか――せめてそのお名前くらいは」弁信法師が念を入れて...
中里介山 「大菩薩峠」
...私は念を入れてその日その日の兄さんをことごとくこの一封のうちに書き込めました...
夏目漱石 「行人」
...念には念を入れて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...念には念を入れて調べてありますよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...それでは折角料理に念を入れても一向張合がないと言はれた...
濱田耕作 「異國さかな雜談」
...そのときすこし念を入れて本式に...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...念を入れて二日にわけてかいてみようかなどと...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...その時にほうぼうの織物師が力いっぱいに念を入れて作り出した厚織物の細長や小袿(こうちぎ)の仕立てたのを源氏は手もとへ取り寄せて見た...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...それでも初めての出仕事だから念に念を入れてやったんです...
山本周五郎 「さぶ」
...世話役の伝七が念を入れて注意したのち...
山本周五郎 「さぶ」
...自分の背後(うしろ)の枕木の一つ一つを念を入れて踏み付けながら引返し初めた...
夢野久作 「木魂」
...出来るだけ念を入れて見たつもりであったが...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...二重三重に念を入れて...
夢野久作 「焦点を合せる」
...――石橋を叩いて渡るほど大事の上にも大事を取る内蔵助は、今日になっても、なお、念を入れて、同志の一人に茶入を持たせて、わざと深川高橋の四方庵宗(そうへん)へ使いをやり、(呉服屋新兵衛の使でござりますが、この茶入のお目鑑(めきき)を四方庵様へ願って来いと申されましたが)という口実を含めて、昼の様子を窺(うかが)わせにやった...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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