...二人は妙にわくわくした心持ちになった...
有島武郎 「カインの末裔」
...省作の家の人たちの心持ちがすっかり知れてみると...
伊藤左千夫 「春の潮」
...夕刊を見ながら私は断水の不平よりはむしろ修繕工事を不眠不休で監督しているいわゆる責任のある当局の人たちの心持ちを想像して...
寺田寅彦 「断水の日」
...あるいは何か恐ろしい夢魔にでもおそわれているような心持ちがしてならない...
ドイル Arthur Conan Doyle 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...ただ感興の上(さ)した刻下の心持ちを幾分でも伝えて...
夏目漱石 「草枕」
...さっきのつまらない心持ちがもう消えていた...
夏目漱石 「坑夫」
...なんとなくいい心持ちにできあがっている...
夏目漱石 「三四郎」
...けれども総体に「あの野郎」という心持ちのほうが勝っていた...
夏目漱石 「手紙」
...おれは何だかやな心持ちがした...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...そうでなくても女史ほどの御配偶をお先立てなされたお心持ちは...
長谷川時雨 「大塚楠緒子」
...美に対する愛惜――そうした分明(はっきり)した心持ちを知らなかった時分のことではあるが...
長谷川時雨 「大橋須磨子」
...つれなさを恨みもはてぬしののめにとりあへぬまで驚かすらんあわただしい心持ちで源氏はこうささやいた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...こんな夜の明け方などの心持ちは堪えられないものであった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...沸きかえるような心持ちにおなりになるのであるが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...母親は余儀ないことをするような心持ちで舟に乗った...
森鴎外 「山椒大夫」
...乾燥(ひから)びたような心持ちが交っていた...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...やはり生き生きとした華やかな心持ちではなかろうか...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...我々は姫君の心持ちに引き入れられる...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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