...倉地さんだってあなたのお心持ちは通じているに違いないんですけれども...
有島武郎 「或る女」
...私はこの心持ちを謙遜(けんそん)な心持ちだとも高慢な心持ちだとも思っていない...
有島武郎 「想片」
...「あははは」お宮は仕方なく心持ち両頬を紅(あか)く光らして照れたように笑った...
近松秋江 「うつり香」
...私はあとから列車が追いかけて来るような不安な心持ちで...
ディッケンズ Charles Dickens 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...また一方では内心の苦悩の圧迫に追われて自然に暗い静かな所を求めるような心持ちから...
寺田寅彦 「蒸発皿」
...心持ち凹んだ眼のあたりを...
豊島与志雄 「裸木」
...眼尻が心持ち上っていた...
豊島与志雄 「理想の女」
...まるで古いお寺を見るような心持ちがしただけである...
夏目漱石 「三四郎」
...好い心持ちではなかったらしいが...
長谷川時雨 「マダム貞奴」
...妙な心持ちで厩舎に帰って行った...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...そこでこっちもいい心持ちんなって「金明竹(きんめいちく)」「たらちめ」と...
正岡容 「初看板」
...源氏は自分のだれであるかに町の人も気はつくまいという気楽な心持ちで...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...私のこの心持ちをわざわざ正面から伝えるようにではなく...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...ただそれぞれに人間の心持ちだけを鳴いていたのである...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...「ここのところはどういう心持ちで……」なぞと大切な事を尋ねても...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...その時の志村浩太郎氏のお心持ちが...
夢野久作 「暗黒公使」
...こういう心持ちになる時期のあることは...
和辻哲郎 「すべての芽を培え」
...我々は薫の心持ちになってこの情景を感ずる...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
便利!手書き漢字入力検索