...秋の日に照らされて心持ちなまなましい気を失った水筒の水が...
飯田蛇笏 「茸をたずねる」
...心持ちの悪いことはたとえようがなかった...
田山花袋 「田舎教師」
...」勇吉はある大きな事業をしたような心持ちで雀躍して狭い室の中を歩き廻った...
田山花袋 「トコヨゴヨミ」
...すっかり安心して好い心持ちになってしまった...
近松秋江 「黒髪」
...こういう人の心持ちが少なくも子供の時分にはわからなかった...
寺田寅彦 「路傍の草」
...食物の不足な時には心持ち小さくしぼんで見える...
豊島与志雄 「蜘蛛」
...しばらくでも塵界(じんかい)を離れた心持ちになれる詩である...
夏目漱石 「草枕」
...好い心持ちになって...
夏目漱石 「野分」
...何となく自分が肩身の狭い心持ちがする...
夏目漱石 「倫敦消息」
...広くはないが瀟洒(さっぱり)とした心持ち好く日の当(あた)る所だ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...あんなに興奮しない方がいいよ」彼女は顔を心持ち赧(あか)らめながら...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...軽蔑(けいべつ)してもよいものだというあなたのお心持ちを私は深くお恨みに思います...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...平凡でないことに興味を持つ性質を知っている家司(けいし)たちは源氏の心持ちをそう観察していた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...ついに恐るべき糺弾(きゅうだん)を受ける運命がまわって来たと悲しみながらもその心持ちを隠して尚侍をいろいろに言って慰めた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...そんなふうな朗らかな心持ちで人生を楽しく見るようなことをすればできたものを...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...心持ち頭を傾けたまま...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...私は私たちの心持ちに同情のない要求にすぐ従おうとは思いませんが...
和辻哲郎 「ある思想家の手紙」
...具象的に描かねば気の済まなかった彼女の心持ちが...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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