...その心持ちがかいてみたくって...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...土佐絵などによく見る古代女房(こだいにょうぼう)の顔をほんものに見る心持ちがした...
伊藤左千夫 「河口湖」
...つづいて縊死を遂げたという悲報に接しました時の私の心持ち...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「機密の魅惑」
...それでひとまずわけが分かったごとき心持ちになることができる...
丘浅次郎 「我らの哲学」
...その時お宮と自分との間が肉体(からだ)はわずか三尺も隔っていなくっても互いの心持ちはもう千里も遠くに離れている仇(かたき)同志のような感じがした...
近松秋江 「うつり香」
...狭蠅(さばえ)なす皆涌(わ)き」は火山鳴動の物すごい心持ちの形容にふさわしい...
寺田寅彦 「神話と地球物理学」
...これは豚の心で象の心持ちを推し量るようなものかもしれないが...
寺田寅彦 「藤棚の陰から」
...そして心持ち青白くなっているのを...
豊島与志雄 「恩人」
...ただ心持ちだけをさらさらと書いて...
夏目漱石 「草枕」
...五色の雲がわが眼を掠(かす)めて過ぎた心持ちで往来へ出る...
夏目漱石 「野分」
...八五郎の方へ心持ち身体をねじ向けるのでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...そして心持ちのいゝ假睡の状態で見る蝶々のやうなはかない夢のさまざま...
林芙美子 「暗い花」
...そんなにも心の激動を感じたかどうか――私は何ともかとも云いようのない心持ちで興奮のてっぺんにあった...
葉山嘉樹 「淫賣婦」
...帚木(ははきぎ)の心を知らでその原の道にあやなくまどひぬるかな今夜のこの心持ちはどう言っていいかわからない...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...心持ち顔の筋肉を緊張させながらニッコリと笑った...
夢野久作 「冗談に殺す」
...名声などに因する種々の心持ち...
和辻哲郎 「「ゼエレン・キェルケゴオル」序」
...むしろ相手の心持ちをいたわり...
和辻哲郎 「漱石の人物」
...上代の歌謡よりもはるかに心持ちが複雑で...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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