...それがせめてもの心やりです...
芥川龍之介 「報恩記」
...保昌であらうが所詮誠の戀を解さぬ人としてたゞ自分が此の世の戀に在り佗びてゐる心やりの...
今井邦子 「誠心院の一夜」
...彼らは生物に対する限りなき心やりのあまり...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...せめても心やりにしているということは...
太宰治 「断崖の錯覚」
...せめてもの心やりをしたいと思いました...
豊島与志雄 「彗星の話」
...平次の心やりからでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...御用聞を外へ誘い出すといった心やりはあります...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...せめてもの心やりに書きもしるしつ」などと言っているところを見ると...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...時には母の姿が見えるのがせめてもの心やりであったが...
久生十蘭 「カストリ侯実録」
...こうして泣き悲しむがせめての心やりと...
久生十蘭 「重吉漂流紀聞」
...せめてもの心やりだ」池田は機械的にスプーンを動かして...
久生十蘭 「春雪」
...切(せ)めてもの心やりにして...
福田英子 「妾の半生涯」
...この博物館のカンザクラについて上に述べたような事実があったということをここに書いておくのもせめてもの心やりである...
牧野富太郎 「寒桜の話」
......
正岡子規 「墨汁一滴」
...こういう際には電報をやるだけでもいくらかの心やりになるものだ...
正岡子規 「病」
...私はせめてもの心やりにそれに手を持ちそえて美くしい塗の私のたった一人の妹を送るにふさわしい柩車に乗せた...
宮本百合子 「悲しめる心」
...見送ってやろうという八十三郎への心やりであることはもちろんだった...
吉川英治 「松のや露八」
...先生の人格や芸術を論ずるのがせめてもの心やりであるように思えたのであった...
和辻哲郎 「夏目先生の追憶」
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