...多少にもせよ私自身の心やりに致したいと思うのでございます...
芥川龍之介 「疑惑」
...せめても幾分の心やりにしようとさえ思った事がある...
芥川龍之介 「鼻」
...保昌であらうが所詮誠の戀を解さぬ人としてたゞ自分が此の世の戀に在り佗びてゐる心やりの...
今井邦子 「誠心院の一夜」
...それでせめてもの心やりに懇意な人形師に頼み...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「魂の喘ぎ」
...今の私にはそれがせめてもの心やりだ...
薄田泣菫 「独楽園」
...せめての心やりに歌詠(よ)み秋草を活(い)けなどして過ごせるなり...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...村人達はせめてもの心やりに...
豊島与志雄 「キンショキショキ」
...既にその前年一度医者より病の不治なる事を告げられてからわたしは唯自分だけの心やりとして死ぬまでにどうかして小説は西鶴(さいかく)美文は也有(やゆう)に似たものを一...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...せめての心やりは...
中里介山 「大菩薩峠」
...せめてもの心やりに書きもしるしつ」などと言っているところを見ると...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...せめてもの心やりだ」池田は機械的にスプーンを動かして...
久生十蘭 「春雪」
...いささかながら酬いることが出来たことがせめてもの心やりだった...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...ヨタを言ふのをせめてもの心やりといふところ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...それがせめての心やり忘れぐさ忘れたいもの山々あれど...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...心やりがあったればこそ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...私はせめてもの心やりにそれに手を持ちそえて美くしい塗の私のたった一人の妹を送るにふさわしい柩車に乗せた...
宮本百合子 「悲しめる心」
...見送ってやろうという八十三郎への心やりであることはもちろんだった...
吉川英治 「松のや露八」
...先生の人格や芸術を論ずるのがせめてもの心やりであるように思えたのであった...
和辻哲郎 「夏目先生の追憶」
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