...わたしはわたしの心の底にも彼女を殺したいと思ったことはなかった...
芥川龍之介 「夢」
...併し神の愛を深く心の底に味はひしめた事のない者がどうして之を他人に與へることが出來よう...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...俺は愛する者の群れを本當に心の底から愛する事が出來るやうに...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...心の底からわき上って来る...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...ついには良心は全く一種の本能として心の底に残るだけとなってしまう...
丘浅次郎 「動物界における善と悪」
...急には心の底からわき上ってこないのでした...
壺井栄 「柿の木のある家」
...心の底のその奥は...
豊島与志雄 「蛸の如きもの」
......
永井荷風 「書かでもの記」
...何かの用事で小石川の高台を通り過る折にはまだ二十歳(はたち)にもならぬ学生の裏若(うらわか)い心の底にも...
永井荷風 「伝通院」
...彼の心の底にはそれが又厭であったけれどそうしっかと極められて畢った...
長塚節 「太十と其犬」
...心の底では、さう思ひ込ませてさへおけば、それが何時もの先走りした愚な私の思ひ過しになつて、木村へ馳(か)けつけた時分には、よくそんな病人にある奇蹟が起つてゐて、駄目だと医者に宣告された姉が危篤の状態から逃(のが)れてゐる、と云ふ風なことになつてくれさうなものだと、虫好く考へながら……...
中戸川吉二 「イボタの虫」
...高貴な優しい室生犀星であるだらうか? 僕の心の底には...
萩原朔太郎 「室生犀星に與ふ」
...心の底にまで感じて神経衰弱になって死んでしまう気の咎め――いとあはれに眺めたまふと...
長谷川時雨 「紫式部」
...一歩を進めて当時の書生の心の底を叩(たた)いて見れば...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...しかし幸福だ――心の底まで...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...ここに自分の心の底をのべて...
吉川英治 「篝火の女」
...親と名のつく者の弱い心の底から祈りをこめていると...
吉川英治 「宮本武蔵」
...肉体の美しさを心の底から讃美する人たちの気分にも...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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