...インフルエンザに罹(かか)つた後も冷水摩擦をやつてゐるものは誰よりも徹底してゐるだらう...
芥川龍之介 「闇中問答」
...凡てのものと共に生きて而も自ら徹底して生きること――自分は自ら修養することによつて Sowohl-als auch のこの途を進んで行くことが出來ることを信じてゐる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...自覚と云ふのがいけなければ先生の内外生活がともに徹底してゐないからだとも云へませう...
伊藤野枝 「S先生に」
...「自由」の観念を徹底して「自制」に到達した...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...更に戒壇院の四天王像になると聡明な頭脳と余裕ある手腕とによる悠揚せまらぬ写実の妙諦(みょうてい)に徹底している...
高村光太郎 「美の日本的源泉」
...徹底してゐるか否か...
田山録弥 「小説新論」
...それ自身として或る意味で徹底しているために...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...対象や客観が意識や表象を超越して彼岸にあるというフッセルル(之はブレンターノの後継者である)風の「現象学」が徹底しても...
戸坂潤 「認識論とは何か」
...君も徹底して夜鷹になるか...
長與善郎 「青銅の基督」
...「徹底していないと思うか」と兄さんがまた聞きました...
夏目漱石 「行人」
...心底までその自由が徹底しているとはいわれない...
新渡戸稲造 「自由の真髄」
...客観性の一方にのみ徹底して...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...セザンヌは観照に於て最もよく徹底している...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...一方の高蹈派(パルナシアン)は徹底して芸術至上主義を標号(ひょうごう)した...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...こちらのは意味が強く徹底しておできになっていましたよ...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...ドレ位徹底しているものだか...
夢野久作 「狂人は笑う」
...すでに現在がかくのごとく民主主義に徹底しているときはまたとなかったが...
横光利一 「夜の靴」
...支那人の残忍な気持が我我(われわれ)日本人の解して居るよりも徹底して表現されて居るやうに想はれた...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
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