...徹底した人生を經驗したことだけは間違ひがないのである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...私が徹底した人生の肯定者ならざる何人であり得よう...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...決して徹底したもので有つたとは思へない...
石川啄木 「所謂今度の事」
...そういうふうに持久戦争の徹底したときにフランス革命が起りました...
石原莞爾 「最終戦争論」
...それが一致団結して訓練第一主義に徹底したのである...
石原莞爾 「戦争史大観」
...それは能楽にも仕舞にも何等の徹底した鑑賞心をもって居らないからの言葉でありまして...
上村松園 「無表情の表情」
...なんという徹底した痛快な死生観ではありませんか...
高神覚昇 「般若心経講義」
...いったいに農家の酒ぶるまいというものは徹底したもので...
高村光太郎 「山の秋」
...昔のやうに徹底した不作など無くなつたけれども...
太宰治 「津軽」
...徹底した信念の人である...
知里真志保 「生きているコタンの銅像」
...徹底した機械論的ラショナリズムとしての唯物論と同様...
戸坂潤 「思想としての文学」
...カントの範疇をかくの如き意味に於て――認識論的という意味に於てである――徹底したものはヴィンデルバントである...
戸坂潤 「範疇としての空間に就いて」
...人の通るのを待っているという徹底した物臭ぶり...
中里介山 「大菩薩峠」
...こんな一文や二文のおもちや仕事に徹底したんぢやおぬしは満足は出来なからう...
長與善郎 「青銅の基督」
...文化主義に徹底したギリシア人はかくの如くに mon(無)を考へた...
波多野精一 「時と永遠」
...あのドルセット街の陋屋(ろうおく)におけるケリイ別名ワッツ殺しの場合のような徹底した狂暴ぶりは...
牧逸馬 「女肉を料理する男」
...一度ありたりとて自ら已(すで)に大悟徹底したるが如く思はば...
正岡子規 「俳諧大要」
...彼が徹底した怠けものであるところが...
横光利一 「夜の靴」
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