...洛中(らくちゅう)に徘徊する盗人の中でも...
芥川龍之介 「藪の中」
...少年の殺した吾一と云ふ男が姉の嫁入先きをねらつたとかねらはないとか云つてゐるが実は徘徊するも覗ふも吾一はその日は少年の隣村の親類まで行つたかへりに一寸茶店に憩つてゐたのだと云ひ...
伊藤野枝 「女教員の縊死」
...アメリカ人が上陸徘徊するといふ次第で...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...かかる者の徘徊するのはまず吉原であるから...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...犬殺しや猫の皮剥ぎよりも更に残忍なる徒輩が徘徊するのを見ても...
永井荷風 「巷の声」
...残月が赤石沢の奥に徘徊する...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...金峰山頭を徘徊する...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...はてなき自然の地方を徘徊する...
萩原朔太郎 「散文詩・詩的散文」
...醉うて巷路に徘徊するもの...
萩原朔太郎 「氷島」
...白い衣服の鮮人が二つ三つ其のあたりを徘徊する荒凉寂寥たる此の景色が所謂温泉場と思へようか...
濱田耕作 「温泉雜記」
...一揆が徘徊すると酒肴を出して御機嫌をとる向きもあったが...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...あてもなく市中を徘徊するようになった...
久生十蘭 「ボニン島物語」
...夜中徘徊するというのもやはりこのわけです...
フランス Anatole France 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...酒が飲みたいのか?」……フアウスト「君にはあの作物や切株などの間を徘徊する黒犬が見えませんか...
牧野信一 「ベツコウ蜂」
...ロンドン等の地下鉄道を徘徊する猫の尾が...
南方熊楠 「十二支考」
...狼の徘徊する処となった...
矢内原忠雄 「帝大聖書研究会終講の辞」
...彼等は徘徊する骸骨であつた...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...徘徊する義勇兵の眼の色が輝き出した...
横光利一 「上海」
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