...此宿も悪くない、広くて静かだ、相当の人が落魄して、かういふ安宿をやつてゐるらしい、漬物がおいしい、お婆さんが深切だ...
種田山頭火 「行乞記」
...それだけ天地が広く茫漠としてちよつとつかみにくいやうなものである...
田山録弥 「小説新論」
...何かある題目に関して広く文献を調べようという場合にはいろいろなエンチクロペディやハンドブーフという種類のものはなくてならない重宝なものであるが...
寺田寅彦 「案内者」
...席を広くしてやって...
中里介山 「大菩薩峠」
...一段広くなったような気がして...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...在(あ)る人を掃(は)いて捨てたようにがらんと広くなる...
夏目漱石 「虞美人草」
...たとえば鶉(うずら)のような鳥が藪のなかに広く分かれている時...
アンブローズ・ビヤース Ambrose Bierce 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...西洋の新技術を求むることが広く且(か)つ急(きゅう)である...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...とはいへ如何に区域を広くするとも非文学的思想は容(い)れ不申...
正岡子規 「歌よみに与ふる書」
...ハンス・ハンゼンが昔そのままに昂然と恰好よく――肩のほうが広く...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...その門は大きく、その路は広く、これより入る者多きもこれを選ぶ人は悉く滅びに至るであろう...
三木清 「語られざる哲学」
...新刊書なども広く読まれているようである...
三木清 「西田先生のことども」
...幅が広くまるい、輪廓のぼんやりした顔に、細い眠っているような目をしている...
水野葉舟 「北国の人」
...東京の家は田舎(いなか)のように広くないから寝る事も出来ない様では困りますねー」と良人(おっと)や兄を顧(かえりみ)る...
村井弦斎 「食道楽」
...広く知られずにゐたが...
森鴎外 「魔睡」
...わたしほど広く世間との繋りを絶ち切ったものもない...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...どういうものか世に広く知られていないので...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...信濃から来る県道野麦街道(のむぎかいどう)は道幅が広く...
吉江喬松 「木曾御嶽の両面」
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