...わしが此幻怪な事実の中にどれ程の幻想と印象とが含まれてゐるかを正確に発見するのは到底不可能である...
テオフィル・ゴーチエ Theophile Gautier 芥川龍之介訳 「クラリモンド」
...かう云ふ意味は必しも幻怪の気のあると云ふ意味ではない...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...然もこの不思議や、静かに考へ来れば、遂に不思議にあらず、幻怪にあらず、況(いは)んや無意義の妄想幻想をや...
石川啄木 「閑天地」
...ふと幻怪な花を発見した感じである...
江戸川乱歩 「火星の運河」
...こういう世にも幻怪な運命の犠牲者となった私を目して...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...それらの発散する捨鉢(すてばち)な幻怪味と蟲惑(こわく)も...
谷譲次 「踊る地平線」
...それは幻怪きわまる言語と服装と女子供と海産物とが...
谷譲次 「踊る地平線」
...お雪は恐怖と幻怪の中に...
中里介山 「大菩薩峠」
...幻怪にもせよ、恐怖にもせよ、幻怪でも恐怖でもなく、ただ人あって水を汲みに出たという平凡極まる光景であったにせよ、眼前のその事は、それでひとまず解決しましたが、それと同時に、背後の圧迫のゆるやかなことを感ぜずにはおられません...
中里介山 「大菩薩峠」
...ところが、この際突然としてまたしゃべり出たものですから、忘れられていた存在がまた浮き出したと同時に、一座がなんとなく水をかけられたような気持になって、神秘とも、幻怪とも、奇妙とも、ちょっと名のつけられない小坊主の、平々洒々としてまくし立てる弁説の程に、なんとなくおそれを抱かせられでもしたもののようです...
中里介山 「大菩薩峠」
...大したことはないよ」この幻怪な少年に抑留されたために...
中里介山 「大菩薩峠」
...あの覆面の怪物の夜な夜なの出没の幻怪ぶりを満喫していること...
中里介山 「大菩薩峠」
...時に幻怪味さえ帯びる風姿...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...この東洋(とうやう)の幻怪(げんくわい)な港町(みなとまち)はしつとりした夜靄(よもや)の中(なか)にも更(ふ)け行(ゆ)く夜(よ)を知(し)らない...
南部修太郎 「麻雀を語る」
...あまりにそれが幻怪不可思議で...
野村胡堂 「呪の金剛石」
...最後の悲劇(カタストローフ)までも見尽した私(わたし)に取っては幻怪不可思議な事件であればあるほど...
野村胡堂 「呪の金剛石」
...あらゆる幻怪美をつくした扮装で現れるわけであった...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...はり半のすっぽんの霊に幻怪な世界を展開している...
吉行エイスケ 「大阪万華鏡」
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