...恐怖は幸いにも二三度通ううちに消滅した...
芥川龍之介 「大導寺信輔の半生」
...はやく探しあてるんだ」伸びくる毒の爪それまで直江津の町は、幸いにも、夜襲機の爆撃からまぬかれていた...
海野十三 「空襲警報」
...幸いにも、やがて身体が転がるのは停った...
海野十三 「地球発狂事件」
...しかし幸いにも、他の同種類の人々と同じく、一つの反発力を、破滅にたいして他人のもたない一つの避難所を、もっていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...幸いにも、もはや彼の評判は失墜しても大して惜しいものではなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...が幸いにも、その責任はどの党派にもなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...幸いにも心情を授かっていない人たちには人生は安楽だ...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...幸いにも、その名誉、その威厳、その光明、その才能は、あの山師たる英雄や勝利者らが戦争と称する投機にかけることを得る骰子(さい)の目ではない...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...幸いにも誰も聞き咎(とが)める者はない...
中里介山 「大菩薩峠」
...幸いにも非番だった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「玉手箱」
...幸いにもばれなかった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
...一幸いにも日本の各地には...
柳宗悦 「樺細工の道」
...幸いにもそのころ森槐南先生が宮内大臣秘書官をしておられたので(私も宮内省に勤めていた)折があったら拙文をご覧下さい...
柳田国男 「故郷七十年」
...――幸いにも、祖先以来の砦(とりで)の山は、邸内といえるので、藪(やぶ)を伐(き)り林を拓(ひら)いて、家族召使もみな鋤(すき)鍬(くわ)を持ち、自分で耕して自分で喰う――自給自足を辛(から)くも生活として今をしのいでいる有様であった...
吉川英治 「剣の四君子」
...幸いにも、将軍が協力してくれるならば、大事はもう半ば、成就したようなもの...
吉川英治 「三国志」
...しかし幸いにも、拙者と彼とは、――形の交わりはないが、つねに戦場の好敵手として、相見るたび、心契(しんけい)の誼(よし)みに似たものを感じ合っている...
吉川英治 「三国志」
...如何ともなし難い重患だが、幸いにも、敵はただその涸渇(こかつ)を待っていて、積極的に、わが通路を断とうとしない...
吉川英治 「三国志」
...幸いにも、京の町では誰にも咎(とが)められなかった...
吉川英治 「親鸞」
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