...年の暮れになると...
梅崎春生 「狂い凧」
...その年の暮れに、遺骨を受領に来いという連絡があった...
梅崎春生 「狂い凧」
...ずいぶん久しぶりに開かれた一昨年の暮れのベルリン大会なぞも...
大杉栄 「日本脱出記」
...そして去年の暮れマドリッドの古い劇場が焼けたとき...
谷譲次 「踊る地平線」
...田中は未(いま)だに生活のたつきを得ませず、準備した金は既に尽き、昨年の暮れは、うらぶれの悲しい生活を送ったので御座います...
田山花袋 「蒲団」
...須田町(すだちょう)を通って両国橋の方へつづく電車通りにかけて年の暮れに押し迫った人の往来(ゆきき)忙しく...
近松秋江 「うつり香」
...西南戦争に出征していた父が戦乱平定ののち家に帰ったその年の暮れに私が生まれた...
寺田寅彦 「蓄音機」
...卿(おまえ)も知っとるはずじゃが、あの知事の東郷(とうごう)、な、卿(おまえ)がよくけんかをしたあの児(こ)の母御(かさま)な、どうかい、あの母(ひと)が肺病で死んでの、一昨年(おととし)の四月じゃったが、その年の暮れに、どうかい、東郷さんもやっぱい肺病で死んで、ええかい、それからあの息子(むすこ)さん――どこかの技師をしとったそうじゃがの――もやっぱい肺病でこのあいだ亡くなッた、な...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...年の暮れを一種悲愴なものと感じている...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...昨年の暮れから世間を騒がせていた三万円の拐帯(かいたい)犯人なんです」キャラコさんは...
久生十蘭 「キャラコさん」
...前の年の暮れあたりから...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...オランダのオリンピック大会から帰って来て年の暮れるまで旅のつかれと二度の遠征による体のつかれでふたたび競技場に立てるかと心配した...
人見絹枝 「世界記録と私」
...去年の暮れごろから目を患(わずら)っていたおじさんが急に失明しかけているというような噂(うわさ)を耳にして...
堀辰雄 「花を持てる女」
...「年の暮れでこの寒さで...
正岡容 「随筆 寄席風俗」
...目の前に年の暮れを控えているだけが...
正岡容 「寄席」
...電報が来たと?」「なんだろか? 又大地震があつたんづろか?」「去年の暮れ...
三好十郎 「おスミの持参金」
...……去年の暮れに...
三好十郎 「樹氷」
...遂に年の暮れるまで二度と...
吉川英治 「新書太閤記」
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