...議長閣下へ差しだしてしまいたいくらいでございます...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...私はグラスをカウンタア・ボックスの方へぐっと差しだした...
太宰治 「断崖の錯覚」
...女の子は暫(しばら)くもじもじしていたが、やがて、雲呑の小鉢を下へ置き、肘(ひじ)のなかの花束からおおきい蕾のついた草花を一本引き抜いて、差しだした...
太宰治 「葉」
...「これを」と云って差しだしたが...
田中貢太郎 「海坊主」
...戸の破れ目から隻手(かたて)を差しだした...
田中貢太郎 「白い花赤い茎」
...云って彼は女の差しだした指環を受けとった...
田中貢太郎 「指環」
...艫から差しだしている手へ佐倉屋の襟をつかませたが...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...お手もとお邪魔さまと言って差しだしたのが...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...だまって掌を差しだした...
久生十蘭 「キャラコさん」
...ニコニコ笑いながら手を差しだした...
久生十蘭 「三界万霊塔」
...おれに署名をさせようとして書類を差しだしやあがつた時だ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「狂人日記」
...伏目がちの妻は韮山笠(にらやまがさ)を差しだしていた...
本庄陸男 「石狩川」
...「失念していたわけではありませぬが――」彼は袱紗(ふくさ)に包んだ墨付きを差しだした...
本庄陸男 「石狩川」
...すッと差しだした...
本庄陸男 「石狩川」
...高倉は干し飯を掌(てのひら)にのせて彼の口もとに差しだした...
本庄陸男 「石狩川」
...若女形(わかおやま)の方へ差しだした...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...彼のまえに差しだした...
吉川英治 「三国志」
...西国大名と呼応して屈強な立場――捨ておいては一大事である」すぐ意見を書いて城代酒井侯(さかいこう)へ差しだした...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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