...而(しか)して今其人物の性質を見るに小心翼々たる者なり...
石橋忍月 「舞姫」
...余が小心翼々神と国とに事(つか)えんとする時にあたって...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...小心翼々たるの餘...
大町桂月 「宗吾靈堂」
...などと小心翼々(よくよく)...
太宰治 「鉄面皮」
...まことは、小心翼々の、甘い弱い、そうして多少、頭の鈍い、酒でも飲まなければ、ろくろく人の顔も正視できない、謂(い)わば、おどおどした劣った子である...
太宰治 「春の盗賊」
...彼れただ小心翼々たり...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...吾は小心翼々としてぬき足さし足一分刻みに歩みつゝ...
徳富盧花 「燕尾服着初の記」
...小心翼々たればこそ...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...氏にして若し小心翼々唯だ過失なきを勉むるのみならば...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...小心翼々として自分を監視することにつとめ...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...さまで小心翼々としてないかあるいはいっそう好奇心に富んでるかしていて...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...小心翼々と疑問を存したのもあったが...
中里介山 「大菩薩峠」
...しかもなお常に小心翼々として防備の不完全を惧(おそ)れていなければならない...
中島敦 「狼疾記」
...初め学者が或る問題を論究せんとするや、非常に卑屈な態度でそれを取りあげ、小心翼々として、『これは一体どういうところからこうなったのだろう? 斯く斯くの国名はこの一角の名前から由来したのではなかろうか?』とか、また、『この文献はもっと別の、遥か後代に属するものではなかろうか?』また、『この人民というのは、これこれの人民の意味に解すべきではなかろうか?』などといった、極めて謙虚な質疑を以ってはじめる...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...小心翼々謹(つつし)みて守らざるべからず...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...俳句を練る上においては小心翼々として一字苟もせざりしが如し...
正岡子規 「俳人蕪村」
...ずぼらどころか小心翼々の方であった...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...かくの如き小心翼々たるものだ...
吉川英治 「三国志」
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